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「しがなさ」が中高年魅了 福岡の『ゴリパラ』DVD、バカ売れ【動画】

2014年06月04日 03時00分 更新

記者:川合秀紀、仲山美葵


  • ベイサイドプレイス博多が約3000人のファンで埋まったDVD発売記念イベント。壇上左から斉藤優さん、矢野ペペさん、ゴリけんさん=5月25日、福岡市博多区(テレビ西日本提供)

  • インタビューに答える「パラシュート部隊」の斉藤優さん

  • 「パラシュート部隊」の矢野ペペさん

  • ゴリけんさん

  • 担当ディレクターの富永治明さん

 「おれ、売れたい…。でも、朝になるとラクしたくなる…」
 「嫁も、誰も、おれのことなんか好きじゃないんすよぉぉ」


 2014年のいま、ここまで酒席で泣きじゃくりながら愚痴るサラリーマン(この記事では「ビジネスパーソン」とか書きません)の姿はそう見かけなくなった。でも、みんなどこかでこんな言葉を飲み込んでいる、はずだ。グダグダに酔っ払って愚痴る、しがないお笑い芸人が出演する福岡の深夜番組がいま、中高年を中心に人気を集めている。

 テレビ西日本(福岡市)制作の「ゴリパラ見聞録」だ。福岡の芸人3人が出演し、2009年に放送開始。じわじわと人気が広がり、ついに5月25日に初のDVD「ゴリパラ見聞録 VOL.1」を発売すると、初回予約分1000枚がすぐに完売。追加予約を受け付け、DVD全国ランキングでは超人気アイドルグループのDVDを差し置いて一時全国2位になるなど、本人たちも驚くブレークぶりだ。

 なぜここまで売れているのか。ローカル発のコンテンツはこのまま全国区へ羽ばたくのか。そして、「天狗」になっていないか−。出演者と制作担当者を直撃した。

■■■

 《番組の構成はシンプル。お笑いコンビ「パラシュート部隊」(斉藤優、矢野ペペ)とピン芸人のゴリけんの3人が、一般の人に聞いた「行ってみたいけどなかなか行けない場所」を代わりに訪れるバラエティー番組。有名とはいえない芸人が、撮影しっぱなしのカメラの前で素の姿をさらけ出す、ドキュメンタリーでもある》

ヒットの反動で体調悪化

 Q)DVD発売記念イベントでは、会場が約3000人のファンで埋まり、驚きました。売れ行きも好調ですが、身の回りに変化はありますか?

 ゴリけん(以下ゴリ) 「イベント以来、反動で体調が悪いんです。けんお(嫌悪)感というか…」
 一同 「けんたい(倦怠)感やろ」
 矢野ペペ(以下ペペ) 「ぼくもずっと下痢気味で。疲れが取れないんです。イベントは大体700人ぐらい、最高でも1000人ぐらいだろうって思っていたんです。だから(3000人も来て)心のキャパも超えたんですかね…」

 Q)斉藤さん、何か変化あります?
 
 斉藤 「ツイッターで女の子から『好きです』的な書き込みがありました。でも、普通考えたらぼくのこと好きになるわけないじゃないですか。(矢野に「1人だろ」と突っ込まれ)3通だね! 3来たら本物でしょう。こうやって、勘違いしていくんだろうなあと」
 ゴリ 「ヒットしていることを周りがあまり信じてくれない。『本当は何人だったの?』とか『どういう黒幕がいるの?』と言われる。会場の写真とかを見せて、東京の芸人さんや(3人が所属する)会社のマネージャーも、『本当なんだー」って分かってくれるんです」
 斉藤 「イベントのステージも、スタッフが最初は高さ40センチで予定していると聞いて、ロケ帰りの車中で計ったんです。そしたらビール箱より低いじゃないですか。『これやばくね?』となって。結局150センチにしてくれた」

さらけだすリアル

 《番組では、以下のシーンが楽しめる。
 ・斉藤が酒席で毎回のように酔っ払い、号泣しながら愚痴や自虐話を繰り返す
 ・最年長のゴリケンが、毎回のように頻繁に言葉を噛む。
 ・男前だが地味でペーパードライバーの矢野が、毎回のように2人にいじられてキレる。
 つまり、ダメな(になったときの)30〜40代の大人の典型である。だがそこに、働くサラリーマンらが強く共感するのかもしれない》

 Q)何がファンに支持されていると思いますか?

 ゴリ 「さらけ出していくところでしょうね」
 ペペ 「リアリティー。だって、旅先で名所に行っても、人が多いと中に入らなかったりしますし」

 Q)斉藤さん、毎回飲んで泣いていますけど。大好きなんです。

 斉藤 「相当飲んでいるんです、あれ。ぼくを飲ます時間があるんです」
 ペペ 「そんなのないよ」
 ゴリ 「自分で『ちょっと(撮影を)止めてくれ、いまじゃない』とか言うんですよ」
 斉藤 「お酒の神様がいるんです(真顔)。ふだん、ままならないこと、しがらみとかたくさんあるんすよ。そうした感情の波と(酔いが)合うときがあるんです。『お酒のゾーン』です」
 ペペ 「アスリートみたいに言うな。字にすると訳が分かんないよ。川合さんのメモを取る手が止まってるじゃない(笑)」
 斉藤 「大丈夫、腕で何とかしてもらうから(笑)」

 Q)何ともならないです。ところで、この番組の企画はどうやって決まったんですか?

最初は相当もめた

 担当ディレクターの富永治明氏(以下トミ) 「3人の楽屋がすごく面白いんです。だったらオンを撮らずにオフを撮っていけばいいかなと思って企画しました」

 Q)オンは面白くないと?

 ペペ 「いやいや(笑)、オンよりオフが面白いと…」
 斉藤 「それもおかしい(笑)」
 トミ 「面白いけど生かし方が分からなかったんです。東京の局ほどローカルは(お笑いの)環境を用意してやれないので…。でも、番組当初は相当もめたんです。家庭の話とか、3人とも見せたくないところをえぐり出すわけなので。『ここまで出さないといけないのか』って。本当はいまも嫌だと思いますよ」










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