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草刈り機シェア70%!オーレックの強みの源泉

2014年09月24日 03時00分 更新

記者:佐野友昭氏


  • 佐野友昭氏(さの・ともあき) グロービス経営大学院 福岡校リーダー。教員(マーケティング・経営戦略領域)。慶應義塾大学理工学部卒業。グロービス経営大学院(MBA)修了。大手通信会社にて、研究開発、新サービス開発、法人営業に従事。その後グロービスに入社し、東京校にてスクール部門のマーケティングチームのリーダー、企業研修部門のコンサルタントを経て、福岡校の立ち上げに挙手。グロービス経営大学院や企業研修でマーケティング・経営戦略領域の講師を務めるほか、講師育成やケース開発も行う。

佐野友昭氏(グロ−ビス経営大学院福岡校リーダー)


 農作業に欠かせない「草刈り」。この草刈りを格段にラクにする農業機械がある。乗用・自走式草刈り機だ。

 このカテゴリーで国内シェア約70%を占めるメーカーが福岡県にある。八女郡広川町に本社と工場を置く、株式会社オーレック(http://www.orec-jp.com/)だ。売上高は98億円。農業機械の市場が25年間で半分になる中、オーレックは同期間に売上を4倍に伸ばした。自社ブランドでの販売が主だが、他の農機具メーカーへのOEM供給も手がける。


◆1日かかる作業が2〜3時間で終わる

 草刈りを要する場所は必ずしも平坦ではない。田んぼのあぜの斜面、果樹園の樹木の下など、人力では作業しにくい場所にも草が生える。かつては除草剤を多用する時代もあったが、近年は農作物の安全に対する消費者意識の高まりもあり、特に果樹園などでは草を刈る機会が増えている。

 とはいえ、高齢化と人員不足に悩む農家がこまめに草を刈るのは大変だ。たとえば、日本の農家の平均的な所有面積である1町歩(約1ヘクタール)の水田のあぜの草を刈るのに、手持ち式の草刈り機を使うと丸一日かかる。それが、オーレックの自走二面あぜ草刈り機「ウイングモアー」を使うと、わずか2〜3時間で終わるという。


【図1】あぜ草刈機「ウイングモアー」 あぜの上部と斜面の草を同時に刈ることができる


◆オーレック製品が選ばれる理由

 八女郡広川町で各社メーカーの農業機械を展示販売している(有)八女農機販売(http://www.yamenouki.com/)。店頭にはオーレック製品のほか、他社の草刈り機も複数展示されている。しかし、「草刈り機で実際に売れるのはほとんどオーレックの製品。草刈り機といえばオーレックというブランドが農家のみなさんにも浸透しているので、はじめからオーレックを買いに来る方が多い」(八女農機 馬場社長)

 顧客から推奨を聞かれた時もやはりオーレックを奨めるという。理由の一つは、消耗品や交換部品がすぐ手に入ること。「他メーカーなら3日、海外で生産しているものは数週間以上かかることもありますが、部品から地元で作っているオーレックなら、どんな部品でも1日で手に入ります」(販売担当)

 久留米市に水田と果樹園をもつ農家の岡氏を訪ねた。所有する田畑は40町歩。広大な面積を6人で管理する。水田のあぜの草刈り用にオーレックのウイングモアーを、果樹園の草刈りに乗用式のラビットモアーを使っている。ラビットモアーは、製品がリリースされた直後の1996年から使い始めたという。

 「うちは田んぼが広いので作業が大変。自分が若手ということもあり、このあたりでは一番先に導入しました。手持ち式よりも格段にラクですし、あっという間に草が刈れます。夏は朝食前に草刈りが終わるので、他の農家がそれを見て、もう終わったのかと驚くわけです。最初は半信半疑だった近所の農家にも、次第に同じ機種が広まっていきました。みな、うちの田んぼで実績のあるオーレックを選びますよね。安心ですから」
 
 岡氏は加えて、オーレックの製品が少しずつ改良されていくことにも満足しているという。

 オーレックの技術者が来て、岡氏が実際に使ってみて気づいたことを定期的に意見交換する。オーレックはそれをもとに改善した試作機を製作し、うまくいけば量産する。その過程で新機能が開発されて後継機のリリースにつながることもある。

 「岡さんのように意見交換に協力的な農家の方が、全国に多数いらっしゃいます。こうしたユーザーの皆さまを、オーレックでは『アドバイザー』と呼んでいます。製品のマイナーチェンジは、特に新製品が出てから2〜3年の間はとことんまでやります。現場を見て、アドバイザーさんの声を聞いて、自らも使ってみながら、改良の方法を考えるのです」(オーレック広報担当)


◆オーレックの強みの源泉










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