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「太陽光リスク」の自覚と開示、十分だったか

2014年10月03日 03時00分 更新

記者:川合秀紀、永松英一郎


  • 九州電力の説明会場に入れず、中継モニターを取り囲む事業者たち=1日午前10時すぎ、福岡市中央区渡辺通

 「聞いていない」「書いてある」―。

 九州電力など電力各社が再生可能エネルギー発電設備の新規契約を当面中断したことで、設備を導入しようとしていた事業者や市民がかなり怒っている。電力会社側はやむを得ない措置だと理解を求めている。互いに気持ちは理解できる。だが、一連の状況を見聞きしていると、金融商品の投資にまつわる、冒頭の会話を思い起こさせる。「リスク」を軽視していたのではないか、ということだ。

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 まず、設備を導入しようとしていた「投資家」(本稿では広義としてこう記載させていただく)の方々は、電力会社が、太陽光電源を無制限には接続できないリスクがあること、最近そのリスクが高まっていたことを、どこまで自覚し、リスク情報を取ろうとしていたのだろうか。

 天候に左右されるため、発電は安定しない。電力が増えすぎて送電ネットワークに流れ込むと、電力会社はその波を吸収できなくなる。だから、各地域で一定の上限を設定しているし、高値で電力を売ることを可能にした法律にも、電力会社は接続を拒否できるとする項目を明記している。

 さらに、接続を申し込む際の「受付要領」でも、こうした点に触れ、「接続契約申し込み前に先行して工事着工や物品発注などを行う場合は、上記リスクがあることを十分踏まえてください」とまで書いてある。

 ずいぶん前から太陽光電源が急増していることや、接続できなくなっている地域が出てきているニュースも出ていた。ある銀行関係者は「よく分からないまま、確実に回収できると思って投資するのはいかがなのものか。これも自己責任だ」と言うが、基本的には私も同感だ。

 ある投資家は「いつかこういう事態になると思っていたが、今とは思っていなかった」と戸惑うが、これこそ投資失敗の典型的な反応だ。「確実にもうかる」などとリスクゼロをPRし、個人を含めた投資家をあおった企業があるとしたら、怒る前に反省してほしいとさえ思う。

 だが、「投資家」にすべての責任を負わせるのもどうかと思う。なぜなら、現状では、「リスク」の大きさを客観的に判断する情報量が足りないからだ。

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 では、「申し込みが急増し、近々接続が難しくなるかもしれない」―。もし、投資を決める際に、電力会社からこうしたリスクの説明があったら、どうだったろうか。










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