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クラウドファンディング「FAAVO」が拓く、新しい地域活性化の姿

2015年03月11日 03時00分 更新

記者:高田仁氏


  • 高田仁氏(たかた・めぐみ) 1967年生まれ。九州大学工学部卒業後、大手メーカーに勤務。その後、九州大学大学院に進学し修士課程修了。コンサルタント会社を経て、1999年に先端科学技術インキュベーションセンター(CASTI、現東大TLO)の経営に参画、2002年まで同社取締役副社長兼COO。03年より九州大学ビジネス・スクール助教授。同年10月から10年まで九州大学知的財産本部技術移転グループリーダーを兼務。05年から10年まで総長特別補佐。また、09年から翌年まで米国MIT(マサチューセッツ工科大学)客員研究員、その後、九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センターの設立に参画し、10年より同センター複担。14年九州大学ビジネス・スクール教授。

高田仁氏(九州大学ビジネス・スクール教授)


地域創生への関心の高まり

 「地域創生」が、アベノミクスのキーワードとして注目されている。最近は、地方暮らしに関心を持つ若者も増える傾向が見られ、都会出身者が地方で農業に従事したり、WEBデザイナーやソフトウェアエンジニアがあえて田舎暮らしを選択するケースもよく耳にする。

 しかし、都会生活者の多くは、地方での生活や地方の活性化に関心はあっても、それを知り、自らが関与する手立てがなかった。

 この問題に対して、宮崎県出身の斉藤隆太さん(30歳)が中心になって宮崎から活動がスタートしたクラウドファンディング「FAAVO(ファーボ)」が注目を集め、全国に広がっている。今回は、このFAAVOを紹介しながら、クラウドファンディングによる地域活性化の可能性について考えてみたい。


クラウドファンディングとは

 クラウドファンディングとは、文字通りクラウド(=群衆)によるファンディング(=資金調達)ということで、近年、世界的に注目を集めている。日本では、東日本大震災で被災した地域の企業が再建の資金を集めるために活用し、注目されるようになった。2014年には、全国で総額14億〜15億円の資金調達が行われている。ちなみに、既によく知られる米国のKickstarterは、年間に総額4億ドル程度(12年)を調達している。

 クラウドファンディングには、(1)寄付型、(2)金融型、(3)購入型、の3タイプがある。寄付型は、文字通り少額の寄付を大人数から集め、寄付者に対してリターンを返す義務がないという古典的な方法だ。金融型は、融資や投資を少額で行うものだが、投資家保護などを理由に調達の難易度が高くなる。そこで注目されているのが購入型だ。

 これは、プロジェクトに共感した人たちが商品やサービスを「前払い」で購入することで資金を集める、比較的簡易な方法だ。例えば、酒蔵の再建であれば、集めた資金で作られた酒が自宅に届いたり、あるいは地域イベントの開催であればイベントチケットが優先的に配布されたりする。


「FAAVO」とは

 「FAAVO」を立ち上げた斉藤さんは、18歳まで宮崎で育ち、大学進学を機に上京しそのまま東京で就職した、典型的な地方出身者だ。所属する株式会社(サーチフィールド)の新規事業を検討していたところ、東日本大震災が起こったことで、改めて“地元“に対する関心が高まり、地元の活性化につながるようなサービスを検討したことが発端とのことだ。

 また、このような新しい取り組みを、東京発ではなく、むしろ宮崎のような地方発で発信するほうが、アナウンス効果を高められるのではないかという考えもあり、2012年6月に、自身の出身地である宮崎でFAAVOをスタートした。

 FAAVOは、県内で「地元を盛り上げる活動を行う人」と、県外の「地元好き」を結びつける。斉藤さんは、この関係を以下のように構造化して整理し、分かりやすい仕組みを構築した。


第一県民:自ら手を挙げてプロジェクトを動かす起案者
第二県民:起案者に共感して、プロジェクトに参加し手伝う賛同者
第三県民:地元の活動が何となく気になるが、テレビやネットで見る程度の潜在層










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