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【特急あわや衝突】93メートル手前で緊急停止 JR「ミスではない」

2015年05月22日 17時43分 更新

記者:貞松保範、片岡寛


  • 上り特急「かもめ20号」(手前)が停車中の線路に進入し、緊急停止した下り特急「かもめ19号」=22日午後4時22分、佐賀県白石町のJR肥前竜王駅(撮影・中村太一)


 22日午後0時20分ごろ、佐賀県白石町のJR長崎線肥前竜王駅で、下りの博多発長崎行き特急「かもめ19号」(7両編成)が、上りの長崎発博多行き特急「かもめ20号」(6両編成)が停車していた待避線に進入し、緊急停止した。93メートルの距離で列車は向かい合わせになったが、衝突は回避した。乗客乗員計約230人にけがはなかった。運輸安全委員会は事故につながりかねない「重大インシデント」と判断し、調査官2人を現地に派遣した。

 JR九州によると、19号は直前の午後0時11分ごろ、走行中に列車床下の異常音を感知し、肥前竜王駅のすぐ手前の単線区間で停止。安全を確認し、運行を再開したところ、20号が停車していた待避線に進んだため、運転士が手動で非常ブレーキをかけ停止させた。

 ブレーキをかける前の速度は時速約35キロで、19号の先頭車両と2両目の一部が20号と同じ線路に入った。長崎線は肥前竜王駅を含む肥前山口−諫早が単線。肥前竜王駅は無人駅で列車が擦れ違うための待避線があった。

 19号と20号は本来、長崎寄りの隣の肥前鹿島駅で離合する予定だったが、19号の異常音感知に伴い、肥前竜王駅に変更されていた。

 JR九州によると、19号が異常音で停車した際、運行を管理する博多総合指令は、運転士の不正確な報告から、現在地を実際より100メートル手前と認識。指令は、駅近くにある信号機の手前に19号が停車していると判断し、信号機を赤にした上で、運行再開時には手動でポイントを操作して、待避線ではなく、本線を通過させる予定だった。

 しかし、実際には19号は運転席が信号機を過ぎた場所に停車しており、赤信号を無視する形で運行を再開したことで、待避線に進入したという。

 JR九州の松本喜代孝取締役安全推進部長は同日夜記者会見し、「お客さまに多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびする。衝突の危険性があり、深く反省している」と述べた。

 長崎線は肥前山口−肥前鹿島が約6時間にわたって不通となり、2本の特急の乗客は全員下車し、JR九州が用意したバスで肥前山口駅や長崎駅に向かった。運休は上下線合わせて32本。6千人に影響が出た。

 ◆JR九州が会見、意思疎通が不十分「ミスではない」

 「JRになってから、こういった事態は初めて。衝突の危険性があった。深く反省している」。JR九州の松本喜代孝取締役安全推進部長は22日夜、福岡市の本社で記者会見し、深々と頭を下げた。

 会見には約30人の報道陣が駆けつけ、松本氏らがホワイトボードを使って状況を説明した。それによると、運転士は電車内のモニター表示から、博多総合指令に現在地を伝えたが、実際とは、ずれが生じていた。指令は、誤進入したかもめ19号が、駅より手前の赤信号を確認できる場所に停車していると認識。信号を無視する形で19号が運行を再開した結果、指令がポイントを本線に切り替える前に、待避線に進み、ニアミスを招く結果となった。

 JR側は、列車の正確な現在地を確認する詳細なルールがなく、運転士と指令員の意思疎通が十分ではなかったことを今回の事態の原因に挙げたが、小林宰取締役運輸部長は「(運転士らは)マニュアルにのっとって行動しており、ミスではない」と繰り返した。

 松本氏は「安全確保が最大の使命だと思っている。手綱を締め直す」と語り、再発防止策を早期に講じる考えを示した。


上り特急「かもめ20号」(手前左)が停車中の線路に進入し、約93メートル手前で緊急停止した下り特急「かもめ19号」=22日午後4時26分、佐賀県白石町のJR肥前竜王駅(撮影・中村太一)


上り特急「かもめ20号」(手前左)が停車中の線路に進入し、約93メートル手前で緊急停止した下り特急「かもめ19号」=22日午後4時26分、佐賀県白石町のJR肥前竜王駅(撮影・中村太一)


上り特急「かもめ20号」(手前)が停車中の線路に進入し、約93メートル手前で緊急停止した下り特急「かもめ19号」


緊急停車した下り特急「かもめ19号」から降りる乗客=22日午後4時38分、佐賀県白石町(撮影・中村太一)














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