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辞退続出、内定式中止も 中小の実態、就職説明会で聞いた

2015年10月28日 03時00分 更新

記者:川合秀紀、吉武和彦



  • 地場企業など約110社がブースを構えた合同就職説明会=27日午後、福岡市

  • 地場企業など約110社がブースを構えた合同就職説明会=27日午後、福岡市

 福岡商工会議所は27日、福岡市で来春卒業の学生向けに合同就職説明会を開いた。地場中小企業を中心に118社が参加。大手企業の採用日程繰り下げや積極採用の影響で、中小企業では早めに内定を出しても辞退者が相次ぐ深刻な「人材難」となっている。会場で各社の厳しい現状を聞いた。

 機械設計・ソフト開発のアルテクス(福岡市)は、6月に内定を出した17人のうち、8割を超える15人が辞退。大手に流れたためだ。「認知度が低いので早く動くしかなかった。大手に振り回されるのは覚悟していたが、これほど辞退が多いとは…」と漏らした。

 健康食品などを販売するコスモプラス(同)も8月までに約15人に内定を出したが、その後10人が辞退。「例年は採用を終えている時期。毎年開く10月1日の内定式をことしは開けなかった」と担当者。

 経団連はことし、会社説明会の解禁を12月から3月に、採用面接を4月から8月に、それぞれ遅らせた。その結果、大手の採用時期との重複を避けたい中小が内定を早めたものの、採用を増やす大手に流れた学生が相次いだとみられる。

 リクルートキャリアによると、10月1日時点の大卒内定率は85・9%と高いが、辞退率(内定取得者に占める辞退経験者の割合)も62・7%に達し、前年同月を約9ポイント上回っている。

 福岡県内の建設機械リース企業は「今後の『辞退リスク』に備えて説明会に参加した」。九州に拠点はないが、辞退が多いため参加した域外企業もあった。

 経団連は2017年春採用から面接を6月に早める検討に入っているが、この日参加した産業用機械メーカーの日向中島鉄工所(宮崎県日向市)の島原俊英社長は「8月も6月も学生が卒論や研究で忙しい。元通り(の4月)に戻すべきだ」と批判。

 就職人気が高いJR九州だが、子会社のJR九州ファーストフーズ(福岡市)は辞退が多く採用予定に達していない。「来年は辞退を見越して多めに内定を出すしかないが、結局はどの程度辞退するか読めないので判断が難しい」と話した。

 採用の工夫で影響を回避した企業もある。30年以上にわたってNHK大河ドラマの衣装を提供する全国チェーンの呉服店、鈴乃屋(東京)は内定者17人のうち辞退者は5人と、例年より「格段に少なかった」(採用担当者)。就職後、「イメージと違った」と離職する採用のミスマッチを防ごうと、「説明会の段階から業務内容を細かく伝えたのが功を奏した」とみる。

 東京五輪に向けた特需の余波で人手不足の建設業界は採用に積極的だ。土木工事や住宅建築を手掛ける星野建設(長崎県島原市)は内定者を1人に絞り、辞退者はゼロ。今後も、「あと3〜5人は採用したい」という。

 福岡市内に本社を置く外食チェーンは「別の影響を受けた」という。これまで3人に内定を出したが、いずれも辞退された。採用担当者は「外食産業には『ブラック企業』のイメージがあるためか、学生が敬遠しがち。店を出して知名度を上げたくても、人を採用できなければ、出店できない」とこぼした。

 一方、学生側も、採用選考の繰り下げの影響を受けた。熊本市から参加した熊本学園大4年の西村有貴さん(22)は「大手の採用試験は『短期集中型』になり、日程が重なって2〜3社しか受けられなかった。これから九州の地場企業を受けて、内定をもらいたい」と話していた。














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