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爆買い代行業、福岡市に30業者超

2016年01月03日 03時00分 更新

記者:古川幸太郎、古川努


  • 中国など海外向けのコンテナが続々と集まる博多港=福岡市東区(写真の一部を加工しています)

 在留中国人が貿易会社を設立し、中国への輸出向けに日本製品を大量に買い付ける「爆買い代行」が福岡市で活発化している実態が西日本新聞の取材で分かった。関係者によると、市内には少なくとも30の代行業者があり、紙おむつや化粧品を博多港からコンテナ船で輸出。中国のインターネット通販会社に転売し、月間取引額が数億円に上る業者もあるという。一部には不適切な在留資格取得が疑われるケースもあり、今後問題化する恐れもある。

 関係者によると、事業所開設に必要な在留資格「経営・管理」(経営管理ビザ)を取得し、福岡市で爆買いを代行するのは数十人に上る。取り扱うのは中国で人気の紙おむつ、粉ミルク、健康食品、化粧品、女性用タイツなど。訪日観光客の爆買いと同様にブランド志向が強いのが特徴。

 人気商品はメーカー側が製造から販売までを管理しており、個人が大量に仕入れるのは難しい。そこで介在するのが日本人ブローカーだ。問屋や小売店に横流しを働き掛けたり、デパートやスーパーで買い占めたりし、通販会社が要望する量の商品をかき集める。代行業者間で融通し合うこともある。商品は上海や大連などに運び込まれ、一部は香港、台湾を経由する。

 正規の卸ルートではないため、仕入れ値は割高となるが、輸出する場合は消費税8%分が還付される。代行業者はこの税還付で利益を得ているといい、2017年4月に消費税率が10%になれば、代行業への参入が増える可能性がある。

 経営管理ビザの取得には常勤2人以上の雇用が必要となるが、15年春に代行を始めた20代の中国人男性は「スマートフォン一つで仕事はできる。従業員は雇っていない」と打ち明ける。日本人ブローカーの40代男性も、ビザ取得に必要な取引の契約書について「架空の数字を書き込んで渡したことがある」と明かす。

 福岡入国管理局によると、九州7県の中国人による経営管理ビザ取得は04年の51人に対し、14年は292人に増えた。特に福岡県は228人で九州全体の約8割を占める。代行業者は全国にあるとされるが、関係者は(1)中国と距離的に近い(2)商業地と博多港が近接している−点で、福岡市は地理的条件が良いという。

 中国のネット通販市場は50兆円とも言われる。九州産業大の千相哲教授(観光学)は「国家戦略特区の規制緩和に伴い、福岡市では15年12月、外国人が会社を設立する際、常勤雇用の条件を満たさなくても、市に申請した創業計画が認められれば、半年間の在留資格を得られるようになった。爆買いに目を付けた代行ビジネスはもっと広がるだろう」とみている。 










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