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《教育》高校 全員参加の「0時限」あり 人気は「御三家」

2016年03月09日 03時00分 更新

記者:南家弘毅


  • 修猷館高校の正門

  • 福岡都市圏の主な県立高校と学校区分

  • 英進館の独自分析による主な県立高校の2015年入試合格予想ライン

■「学区」で受験に制限あり

 小中学生がいて新学期を初めて福岡で迎える家庭では、子どもが学校に慣れだしたら、周辺の中学、高校の評判が気になるだろう。高校入試や高校生活を中心に福岡都市圏の「教育事情」を探ってみた。

 東京都内あるいは大阪府内に住んでいれば、全ての都立高、府立校を受験できる。だが、福岡県内では「学区」が13に分かれ、自分の住所地が含まれる学区内の県立高校しか受験できない。

 福岡都市圏は第4〜6学区に3分割されている。4学区は東部と北部、5学区は南部、6学区は西部だ。県立の普通科・総合科は計24校ある。県立以外の公立は福岡市立、組合立が計4校。私立は28校(中等教育学校含む)。

 「福岡では、ラ・サール(鹿児島)、久留米大学付設といった超難関の私立中学、高校、あるいは私立の中高一貫校を目指す流れと、県立の各学区トップ高を狙う流れがあり、どちらもニーズは根強い」。こう話すのは、総合学習塾「英進館」の上尾宏・取締役教務本部長。福岡県内を中心に主に九州で約3万4000人の児童、生徒を抱え、私立中高、県立高とも圧倒的な合格者数を誇る学習塾だ。

■「ふっこう」「がおか」「しゅうゆう」

 県立のトップ3が福岡高(4学区)、筑紫丘高(5学区)、修猷館高(6学区)であるのは、地元で誰もが知っている。「ふっこう」「がおか」「しゅうゆう」の略称で呼ばれる。この「御三家」から出る九州大学合格者は、毎年それぞれ100人以上(卒業生の2〜3割に相当)。東大や医学部の合格者もコンスタントに出ており、「トップ3の実力は頭抜けている」(上尾本部長)。

 中でも修猷館高=福岡市早良区西新=の人気は断トツ。道向かいには、今年創立100周年を迎える西南学院大学が建つ昔からの文教地区だ。「別冊宝島 ニッポンの名門高校102」の中で、都立日比谷高、大阪府立北野高、灘高、麻布高と並び「日本の高校ビッグ5」として紹介されている。

 福岡藩の藩校として1784年に創設され、実に230年余の歴史を誇る。校長は今も「館長」と呼ばれ、新1年生は応援部による「応援歌指導」で伝統の洗礼を受ける。服装検査がない自由な校風ながら、もし髪を染めた生徒がいれば同級生や先輩が「それは修猷らしい格好か?」とただすなど、自主自律の風土が根付いているそうだ。元総理大臣の広田弘毅をはじめ、政財官を中心に社会に影響を与えた人材は枚挙にいとまがない。国内に張り巡らされた同窓生人脈は、社会人になれば大きな宝となってくる。

 OB同士の絆の固さは修猷館に限らない。高校同窓会の告知広告が新聞に見開きで載ったのを見て目を丸くする転勤族もいる。

■私立の多くに「特進クラス」

 私立高の学力上位校とされるのは、10学部約2万人の学生を擁する福岡大学に付属する大濠高、西南学院高。それにサッカー、ラグビー、バレーボールの強豪校としても知られる東福岡高のほか、筑紫女学園高、上智福岡高など。西南学院高を除く各校は進学に力を注ぐ「特進クラス」(名称はまちまち)を設け、国公立大や有名私大の合格者数を伸ばしている。

 大学進学に力を入れる福岡県内の公・私立の高校の多くで、正規の授業前や放課後に行われる課外授業・補習授業が高1から行われている。しかも原則全員参加。これに戸惑う転勤族は少なくない。都立、府立の高校の補習・講習は、土曜日や夏・冬休み期間に開かれるのが一般的だからだ。

 「0時限」と呼ばれる朝課外は午前7時半ごろスタート。出欠も取られる。県立高校に通う息子を6時過ぎにたたき起こし、弁当作りのため自らは5時半起床をこなす40代の母親は「子どものためとはいえ、朝は戦争ですよ」とこぼした。










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