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《水道》2度の大渇水で“やり繰り上手”に 節水意識浸透、使用量は19都市で最少

2016年03月23日 03時00分 更新

記者:南家弘毅


  • 自衛隊出動の給水車に水を求める主婦たち=1978年5月30日、福岡市早良区の団地

  • 水位が著しく低下した南畑ダム(福岡県那珂川町)=1978年6月撮影

  • 福岡市水道局の水管理センター。水の無駄をカットするよう、配水管を24時間監視

  • ビルなどのトイレで見かける「再生水」シール。お尻用のコメントに配慮がにじむ

■断水多発、疎開した住民も

 なんだか水の出が悪いなあ…。福岡市に転入して水道の蛇口をひねると、最初は驚くかもしれない。それもそのはず、市内では多くの家庭で蛇口の中に流量を制限する「節水こま」が取り付けられているのだ。

 福岡市民は1978年と94年の2度、大渇水を経験した。とくに78年は市の観測史上5番目の少雨で、干上がるダムも続出。5月20日から始まった給水制限は、翌79年春まで287日間に及んだ。そのうち、蛇口から水が出るのが1日5〜8時間という期間が計127日もあった。

 高台や団地では断水が多発。学校の水洗トイレも使えなくなり、歓楽街の中洲は閑古鳥が鳴いた。市外へ“一時疎開”する住民もいたほどだ。

 94年は史上最少の降水量(年間891ミリ)で、給水制限は78年を上回る295日間に。1日の制限時間は平均8時間に抑えられ、給水車の出動はなかったものの、市民は新聞などで毎日発表されるダムの貯水量に気をもんだ。

■水源開発で大きな“保険”も

 福岡市は、市内を一級河川が流れていない唯一の政令市だ。十分な水源がないのがアキレス腱だった。

 大渇水の教訓から、市は「節水型都市づくり」に舵を切り、安定給水に向けて矢継ぎ早に対策を打った。

 まずは水源開発。福岡都市圏から25キロ離れた筑後川から取水する「福岡導水」が83年に完成し、2005年度には国内最大の海水淡水化センター(東区)からの供給もスタートした。現在、市内全域で1日に使われる平均給水量(約40万立方メートル)の3分の1は、こうした外部から購入する水で賄っている。

 さらに、福岡県が事業主体として建設中の五ヶ山ダム(福岡県那珂川町、2017年度完成予定)の水量のうち、「渇水対策容量」として福岡市に1310万立方メートルが割り当てられる。これは94年の渇水で不足した1日平均水量の218日分になるため、市水道局は「大きな“保険”になる」と期待している。福岡市の水道施策は“やりくり上手”といえる。
 
■漏水監視は24時間体制

 漏水の防止も大切だ。市の「水管理センター」は、五つの浄水場から各家庭に送られる配水管の要所に水圧計と流量計を設置。職員が24時間体制で水圧と流量をコントロールする。使用量が減る深夜から未明には水圧を下げるなどきめ細かい操作で、1日4000〜5000立方メートルほどの漏水抑制効果があるという。

 供給量から漏水量を引いた「有効率」は、78年大渇水前は85%だったが、2014年度は全国トップクラスの97・5%だ。

 また、一定規模以上の商業施設など大型ビルについては、水洗トイレに「雑用水」を使うことを条例で義務付けている。雑用水とは、市民が台所やトイレから流した下水を処理した「再生水」のほか、雨水をためたりビル内で循環させたりする水のこと。

■水道料金は上から5番目

 気になる水道料金だが、市によると全国の政令市など19都市では、札幌、仙台、さいたま、京都に次いで5番目に高い。例えば家族2・5人分相当を使用した場合の1カ月分が税込み1938円。ちなみに福岡都市圏の17市町では下から3番目に安い。

 全国の自治体は水道水の節水を促すため、料金体系に使用量が増すほど割高になる累進性を持たせている。福岡市の計算方式で、1立方メートル当たりの最高単価が最低単価の何倍になるかを示す「逓増度」を19都市で比べたところ、福岡が断トツでトップの5・31だった(最低の新潟市は1・38)。

 節水意識は市民に浸透し、1人1日平均の給水量は263リットル(14年度、事業所も含む)。19都市では最少で、福岡市民の“節水上手”ぶりを示している。使用量トップの大阪市は434リットル、東京都は319リットル。福岡市民になられるみなさん、水の使いすぎにはくれぐれもご注意を!










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