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西鉄が「毎日福岡会館」を取得する本当の理由

2016年06月08日 16時18分 更新

記者:吉武和彦


  • 那珂川沿いに建つ「毎日福岡開館」(中央)。その上に、水鏡天満宮がある。写真下の三角形の広場は水上公園=2015年3月30日、福岡市・天神

 福岡市・天神1丁目の「毎日福岡会館」を取得する西日本鉄道(福岡市)。再開発の「天神ビッグバン」では表だった動きを見せてこなかった「大地主」が水面から顔を出したのは、一帯を再構築したい思惑があるためだ。街の魅力やにぎわいが薄れたら、保有する不動産も企業価値もつられて下がりかねない。「ホテル・オフィス」ゾーンとしてエリアの浮揚を目指すが、もう一つ、生み出したい「価値」があった。
天神再開発さらに拡大
「プレーヤー不足」指摘も

 ■他社に渡せない

 「高い代償だ」。西鉄の会館取得をめぐって、不動産業界では、こんなささやきが聞かれる。

 会館は築47年。所有する毎日新聞社と互いの物件を交換する形で6月末に取得するが、西鉄が「対価」に持ち出したのは、築4年の真新しいビルだった。しかも、場所は東京・日本橋。JR東京駅の八重洲中央口に近い一等地だ。

 延べ床面積は会館の方が2・5倍広いとはいえ、先々予想される地価上昇を考えると、「西鉄は高い買い物をした」との見方も出ている。

 そこまでして入手したい理由が、会館一帯の再開発にある。

 西鉄幹部は「他社に買われるわけにはいかなかった」と打ち明ける。

 対象エリアは、毎日福岡会館一帯の約2・6ヘクタール。「ホテル・オフィス」ゾーンとして、約80に上る関係地権者と共同開発を目指すが、ここに、新たな「価値」を生み出したかった。

 ■“主役”は神社?

 キーワードは「歴史」と「水辺」。その主役となるのは、「天神」の地名の由来になった水鏡天満宮とみられる。

 関係地権者たちの間で浮上している案の中には、神社の移設がある。

 会館の西側にある現在地はビルに囲まれ、「外から見えにくい」(エリア内のある地権者)。それを、一帯の再開発に伴い、会館と場所を入れ替える形で那珂川沿いの目立つ場所へ移設しようというのだ。

 天神を訪れる人々に、街の歴史と文化に触れてもらうきっかけも増える、とみているようだ。そして、神社がビルの合間から移れば、結果的に、ビル用地も集積されることになる。

 7月15日には、西鉄が再整備を進める市の水上公園が開業する。会館そばの那珂川に突き出した場所で、世界的な有名レストランもオープンする。水辺の魅力が高まり、観光拠点としての役割も増す。水辺に神社が移れば、ビジターに、天神の街の「奥深さ」も伝えられる、というわけだ。

 西鉄幹部は振り返る。

 「会館は単に建て替えるだけではもったいない」
 「天神の景色を変えたい」
 「そのためには取得するしかなかった」

 ■長期戦の覚悟も










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