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本当は福岡が大嫌い?  転勤者が本音トーク

2016年07月21日 03時00分 更新

記者:吉武和彦


  • 「顔はNG」「名前は出さないで」とプライバシー厳守を条件に集まってくれた参加者たち

  • 「覆面座談会」で司会進行を務めた筆者



■ブラックホールに吸引か

 結局、福岡は、日本の西の地方都市なのか…。そんな寂しさが会場を包みかけたときだった。

 「嫌いなところ」を聞かれても、手を挙げず、沈黙を守った2人の男性が、語り始めた。

 IT会社に勤務する男性(41)は、7月で福岡勤務歴が丸3年。当初は2年の“往復切符”だったのに、「帰ってこい」との本社の命にも従わず、「帰りたくない」と、ずるずる勤務を延ばしているという。

 理由は「ホークスがあるから」。西新に住んだのも、「ドームが近いから」。「ずっと試合を見ていたい」

 もう1人は「豚バラ好き」の男性(38)だ。「立ち飲み屋が好き。もう福岡がいい」と出ていくつもりはなさそう。

 「まさか遊び優先で?」という周囲の冷たい目線を察知したのか、ホークス好きの男性は「目標は福岡で日本一の営業マンになること」と切り返してきた。

 でも、この2人は、確実に「ブラックホール福岡」に吸い込まれていると言えるだろう。

■参加者共通の驚きの事実

 開始から2時間。最後の質問に突入した。西新出身の男性を除いて、福岡では「アウェー」の5人に共通するある事実について、である。

 それは―。

 鹿児島市、大分県中津市、長崎県佐世保市、熊本県人吉市…。なんと、集まった転入者全員が、もともと九州出身だった。佐世保市は偶然、2人もいた。

 東京出身者にも複数参加を呼び掛けたが、キャンセルが相次いだ。

 Q結局、集まったのは、九州人ばかり。どう思いますか。

 この問いに、参加者たちは、矢継ぎ早に答えた。

 「東京の人は(座談会を開いた)金曜日には、家族がいる東京に戻る人が少なくない」
 「東京の人はノリがよくない。その場のノリで飲みに行こうともなりにくいし」
 「温かい感じがするな、と思ったら、たいてい九州人。東京の人は冷たい感じ」
 「平日も遅くまで飲んでいる光景に、遊びに来た東京の友達がびっくりしていた。家賃が高くて遠くに住んでいるため、飲んでもすぐに帰る。結果、付き合いがが良くない印象がある」

 そして、1人の参加者が打ち明けた。複数の東京出身の知り合いに「こんな座談会があるけど行かない?」と参加を呼び掛けたが、全員断られたという。

 「メンバーには福岡や九州の出身者がいる」と告げた時だ。

 「いろいろ言っていたら、突っ込まれるんじゃないか」
 「価値観を押しつけられるのでは」
 「論破されそう」

 と不安が。どうやら、「おじけづいて」(参加者)、出席を見送ったようだった。

 転勤者を魅了する街、福岡。しかし、同時に、地元愛からなのか、市外の人が「ノー」と言いづらい土壌を、無意識につくりだしてはいないだろうか。

 例えば、ラーメン。「豚骨に限るやろ」。街を訪れた人に、そう“強要”することはなかっただろうか。「僕は醤油が」という声を、否定することはなかっただろうか。

 愛は惜しみなく与えるもので、押し付けるものではない。そんな教訓じみたことを感じさせつつ、座談会は閉会した。

6人の参加者が福岡への思いを語った「覆面座談会」。「福岡人はメンタルの距離が近すぎる」との不満も出た
福岡が好きな人は?との問いに、全員が手を挙げた
福岡に本当は嫌いなところがあるか、との問いに、本音を語る参加者たち
転勤者が話しやすいよう、福岡市外の出身者を5人、市内出身者を1人とバランスに配慮した「覆面座談会」









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