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【プレゼンテーション入門】(1) 自己満足に陥ると、思わぬワナが…

2016年10月12日 03時00分 更新

記者:吉田素文氏


  • 吉田素文(よしだ・もとふみ)グロービス経営大学院教員
     立教大学大学院文学研究科教育学専攻修士課程修了。ロンドン・ビジネススクールSEP(Senior Executive Program)修了。大手私鉄会社を経て現職。ケースメソッド等インタラクティブなティーチング方法論が専門で、企業研修の講師も務める。共著書に『MBAクリティカル・シンキング』(ダイヤモンド社)



 机上の空論じゃありません。

 仕事の現場で役立つビジネススキルを身に付けていただこうと、qBizはサラリーマンを応援する新企画を始めます。

 題して【サラリーマン道場】です。

 脚光を浴びるロボットや人工知能(AI)には決してまねできないマンパワーをさらにパワーアップしましょう!

 お客さまの前で、上司や同僚たちの前で、昨日までのあなたとは違うあなたになっているかもしれません。

 ビジネススクール「グロービス経営大学院・福岡校」(福岡市)とタイアップ。教員たちが実践的な仕事のノウハウをご紹介していきます。

 初回は「プレゼンテーション」の入門編です。

 そのほか、皆様に役立つコンテンツもリリース予定です。(qBiz編集部)


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「うまく見える」と「良い」は違う

 人前で話すのは得意ではないし、プレゼンは気が重い、という方は多いのではないでしょうか。仕事のレベルが高まり、役割の幅が広がってくると、お客様への提案、社内の会議での説明、様々な説明会でのスピーカー役など、多くの人々の前で話をする機会が社内外を問わず増えてきます。そして、そこでのプレゼンの成否が、皆さんの仕事の成果、さらには、周囲からの評価を左右するようになります。

 一方、中には自分は話が得意だ、プレゼンには自信がある、という方もいます。見栄えのよいスライドを作り、自信を持って堂々と縦板に水のごとくしゃべる。プレゼンが苦手な方からみると、自分もあのように話せたらいいのに、と感じることも多いでしょう。

 しかし、プレゼンが苦手な方も、そうでない方も、実は大きな思い違いをしている点があります。

 例えば、プレゼンを終えたあるビジネスマンのこんな感想について、考えてみましょう。

 「今日のプレゼンは完璧。言いたいことは全部言えた。15分の持ち時間に収めるために何度も資料を作り直したかいがあった。何度もしゃべる練習をしたおかげで、途中でつっかえることもなかった。上司からも『よいプレゼンだった』と言われ、お客様からも帰り際に『しゃべり、うまいですね』と褒められた」

 さて、これは本当に「良いプレゼン」なのでしょうか?

成否は聴き手の行動で決まる

 実は「うまく見えるプレゼン」と「良いプレゼン」は違うのです。プレゼンが「良い」か「悪い」かは、資料の出来やしゃべり方のうまさなどではなく、「そのプレゼンで実現したかった状態が達成できたか」。具体的には、「聴き手は自分が狙った判断や行動をとってくれたか」で決まります。

 例えば、もし自社のミスで取引するお客様に迷惑をかけ、その対応策を説明するとき、凝った資料を使って堂々としたプレゼンをしたら、聴き手はどう感じるでしょうか。おそらく「資料を作る時間があったら、この状態を何とかしろ!」「こいつら本当に悪いと思っているのか?」などと反感を持たれてしまうでしょう。

 このプレゼンで実現したいことは、聴き手であるお客様が当社を再度信頼してくれること、そして当面の対応について納得してもらい、その実行に協力してもらうことでしょう。それがこのプレゼンの「ゴール」であり、そこに向けて、全ての力を振り向けていくことが必要です。

「聴き手を動かす」ための手段

 プレゼンをする上で、資料の作り方や話し方などはとても重要です。しかし、それはプレゼンの目的ではありません。プレゼンは「聴き手を動かす」という目的をかなえるための手段なのです。このことを忘れずに、日々自身が行ったプレゼンや説明について、「聴き手は納得して動いてくれたのか」をまず確認することを意識しましょう。

 そして、うまく行かなかったのであれば、どこがまずかったのかを振り返る。うまく行ったのであれば、何が効果的だったのかを押さえていく習慣が重要です。これを地道に続けることで、あなたのプレゼン力は確実に上達します。

 「プレゼンの成否は、聴き手の行動で決まる」。このことを深く心に刻んでおきましょう。










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