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【プレゼンテーション入門】(2) 聴き手の立場に立たないと響かない

2016年10月13日 03時00分 更新

記者:吉田素文氏


  • 吉田素文(よしだ・もとふみ)グロービス経営大学院教員
     立教大学大学院文学研究科教育学専攻修士課程修了。ロンドン・ビジネススクールSEP(Senior Executive Program)修了。大手私鉄会社を経て現職。ケースメソッド等インタラクティブなティーチング方法論が専門で、企業研修の講師も務める。共著書に『MBAクリティカル・シンキング』(ダイヤモンド社)



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 プレゼンの成否は「聴き手が自分の狙い通りの判断や行動をとってくれるか」によって決まります。このため、同じ資料を用いて、同じように話をしても、聴き手によって成功する場合もあれば、失敗することもあります。そこで大事なのが、プレゼンをいかに「相手に合わせるか」です。

聴き手を知る、深く考える

 「当社の製品の一番の特徴は耐久性が高いことです。これだけの耐久性が出せるのは当社独自の技術があるからです。その技術は長年の研究開発によって生み出された生産技術の高さによるもので、そこに当社は…」

 たとえば、聴き手が、その製品についてほとんど知らず、使ったこともないお客様だったら、こうしたプレゼンは適切と言えるでしょうか。

 その製品にとって、耐久性が優れていることがどれほど重要なのかが分からなければ、もしくは、そのお客様が、実は価格よりも耐久性を重視していなければ、こうした説明はあまり意味がありません。

 なぜこちらが耐久性の話を長々としているのか、聴き手は理解できないでしょう。

 逆に、聴き手が、製品について熟知している技術者で、今使っている製品の耐久性に不満を抱いているのであれば、この説明こそが相手に響きます。

 このように、言うべき内容、言い方を、いかに相手に合わせることができるかが重要なのです。

聴き手と心の中で「対話」する

 ぼんやりと「聴き手が知りたいことは何だろう?」と考えても答えは出てきません。プレゼンの機会を与えられたら、まず、

「聴き手は誰で、自分は聴き手にどうなってほしいのか」
「聴き手は何を知っていて、何を知らないのか」
「聴き手が最も関心があることは何か」

 という3つの問いかけを自分にしましょう。

 当たり前のように思えるかもしれませんが、こうした点が押さえられていない、聴き手不在のプレゼンが、世の中には極めて多いのです。

 プレゼンの準備、そして実際に話をする際も、こうした問いかけを何度も自分にしましょう。もし、分からない点やはっきりしない点があれば、聴き手について詳しい人に聴くなどして、情報を集める努力にまずは時間をかけましょう。資料をつくるのはその後で良いのです。

 情報が十分に得られない場合も、「自分が聴き手の立場だったら」とイメージして考えてみましょう。普段どのようなことをやっているのか。何を知っていて、何に関心があり、どんな願望や懸念を抱いているのか、などをイメージしてみることで、いろいろなアプローチが見えてくるはずです。

 いったん、自分の「言いたいこと」から離れます。そして、聴き手の立場に立ち、聴き手と「対話」しながら準備を進める。プレゼンを成功させるかなりの部分は、ここにかかっていると言っても過言ではありません。












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