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屋内退避に「課題」5割 九州の原発30キロ圏21自治体調査

2016年10月20日 03時00分 更新

記者:御厨尚陽、山下真


  • 川内原発1、2号機(手前が1号機)=鹿児島県薩摩川内市

 九州電力の玄海原発と川内原発の30キロ圏内にある佐賀、長崎、福岡、鹿児島の4県と17市町のうち、半数に当たる11県市町が、重大事故の発生時に5〜30キロ圏の住民に原則屋内退避を指示する現在の避難計画について、「課題がある」と考えていることが西日本新聞のアンケートで分かった。震度7が2度発生し、家屋倒壊で多くの犠牲者が出た熊本地震を背景に、複合災害への対応を不安視している実態が明らかになった。熊本地震後に避難計画の見直しを着手・検討しているのも12県市町に上った。

 5キロ圏の住民は屋外、5〜30キロ圏は屋内とする2段階避難について、「十分に対応できる」としたのは佐賀県玄海町のみ。11県市町が「対応できるが、課題もある」と回答し、理由として「パニックが予想され、指示に従わない住民が出る恐れがある」(鹿児島県さつま町)「老朽化している避難施設もある」(佐賀県伊万里市)などを挙げた。

 「対応できない」と答えた自治体はなかったが、4市町は「分からない」とし、この中で鹿児島県姶良市は「複合災害では避難経路の安全確保などさまざまな問題が発生し、予測できない」と答えた。残り5県市は「状況に応じて柔軟に対応する」「現時点では問題ない」などとした。

 熊本地震後、避難計画の見直しに着手したのは佐賀県唐津市と長崎県、鹿児島県。9県市町は「検討中」とした。見直しが必要な項目は「避難車両の確保」(9県市町)「避難道路の確保」(8市町)「要支援者のスムーズな避難」(7県市)が多く挙がった。

 熊本地震では道路が寸断されたが、交通混乱の想定については、複数の避難経路を確保するなどして「想定している」としたのが13県市町、「想定していない」は6市町だった。

 自治体間の避難連携に基づく広域避難は18県市町が「仕組みが整っている」とし、16県市町は訓練も実施していたが、鹿児島県さつま町と同県長島町は「実際に訓練したことはない」と答えた。「仕組みが整っていない」と回答したのは同県日置市のみで、長崎県と同県壱岐市は「整備中」とした。

 アンケートは原発事故発生時の避難計画の策定が義務づけられている21県市町を対象に9、10月に実施し、全自治体が回答した。










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