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【数字力入門】(2)愛の値段も「比較」を使えば導ける分析テクニック

2017年02月01日 03時00分 更新

記者:鈴木健一氏


  • 鈴木健一(すずき・けんいち)グロービス経営大学院教員、グロービス・マネジメント・スクール講師
     東京大学工学系修士、シカゴ大学MBA。野村総合研究所を経た後、A.T.カーニー社にてマネージャーとして経営コンサルティング業務に従事。メーカー、通信事業者の新規事業戦略、マーケティング戦略、オペレーション戦略などの分野で幅広いコンサルティング経験を有する。12月8日に著書「定量分析の教科書」(東洋経済新報社)を刊行



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 前回、最後に宿題を出しました。
 (⇒資料づくりの時間がぐっと短くなる“スゴ技”

 「愛の値段はいくらでしょうか?」

 どのようなデータ、グラフがあれば導くことができるでしょうか。

愛の値段を試算する

 愛にもいろいろありますが、ここでは男女間の愛に絞って考えてみましょう。

 私が教員を務めるグロービス経営大学院の授業でこの演習を行うと、受講生からいろいろなアイデアが出てきます。

 例えば、相手へのプレゼントやデートに使った時間をお金に換算して足し合わせたり、生命保険や離婚時の慰謝料から導くことができないかと考えたり。

 もちろん、愛はpricelessで、そもそもお金に換算することなどできない、という意見もあると思いますが、ここでは西口敦著『普通のダンナがなぜ見つからない』所収の分析例を見ていきましょう。(ちなみにこの本は結婚に関する数字力の塊のような本となっています。是非一読ください)

 アクサ生命が実施した調査があります。働く独身女性(25〜44歳)を対象に、まず「男性に求める年収」を問うと、理想の平均年収は552万円でした。

 一方、「心から愛せる相手が現れたとします。その男性の年収が、理想の年収から最低いくらまで減っても結婚することができますか?」と聞いた場合の年収は270万円。ここではその差、282万円が1年間の“愛の値段”だと解釈することができます。



 2010年3月15日付けプレスリリースより

 ストレートに愛の値段を聞くのではなく、間接的に聞いた答えの「比較」から愛の値段を試算する、うまい分析ですね。

分析の本質は「比較」

 愛の値段の例では、愛がある場合と、愛を意識しない場合の答えの「比較」によって、その差から愛の値段をうまく引き出していました。

 実は、皆さんが日々行っている数字を使った分析の本質は「比較」にあるのです。比較をしない分析はない、と言っても過言ではないかもしれません。

 比較をすることで、数字という原石から意味を抽出するのが分析です。皆さんが普段行っている分析も、その多くは無意識のうちに何かを比較しています。何を比較しているのか、比較の対象を意識するだけでも分析がシャープになります。

「分けて」比較する

 実は、分析という言葉の語源をたどっていくと、中国語でも英語でも、いずれも「分ける」という語源に行きつきます。

 例えば、大辞林では分析の意味を「ある事柄の内容・性質などを明らかにするため、細かな要素に分けていくこと」と定義しています。比較することに加え、分けるという考え方が分析には大切だということをここでは押さえておきましょう。「分けて」から「比較する」ですね。

そもそもなぜ「比較」?

 そもそもなぜ私たちは比較をするのでしょうか。それに答えるには少しさかのぼって、何のためにそもそも数字を使って分析をするのか、について考えてみましょう。

 皆さんが仕事で問われているのは、皆さんが「取るべきだ」と考えたアクションについて、次の2点への説明ではないでしょうか。

 (1)なぜ問題解決につながるのか
 (2)なぜ成果につながるのか

 ゆえに、皆さんが選択したアクションと、それがもたらす結果の間にある「因果関係」をしっかり把握することが必要になります。

 ビジネスにおける分析は、大まかにいうと、以下二つのタイプの質問に答えられなければなりません。

 Where?:どこに問題があるのだろう?
 Why?:なぜその問題が生じているのだろう?


 実はこの二つの問いに答える際のヒントが「比較」にあるのです。



 今日から数字を見る際には必ず「比較」を意識してみてください。その際、さらに何を「比較」しているかも自分に問いかけてみましょう。

次回に向けての宿題

 「お金持ちになると長生きできる?」

 どのようなデータ、グラフがあれば導き出せそうでしょうか。また、結果はどのようなグラフになると思いますか。2週間後の次回までの宿題としますね。












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