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「週休3日制」で何をする? 人生を変えるかもしれない「学び」の自己責任化

2016年11月30日 03時00分 更新

記者:佐藤剛氏



  • 佐藤 剛(さとう・たけし)グロービス経営大学院 教員
     慶應義塾大学大学院経営管理研究科博士後期課程修了(経営学博士)専門は組織行動学。1993年長野大学産業社会学部社会学科専任講師、助教授、そして同大学産業社会学部産業情報学科教授を経て、2006年よりグロービス経営大学院大学に所属。 中小企業大学校「中小企業診断士養成課程」講師。主な著作としては『イノベーション創発論 セイコーエプソン・機器デザインセンターの挑戦』(単著、慶應義塾大学出版会、2008年)、『MBA 組織と人材マネジメント』(監修・著、ダイヤモンド社、2007年)、『組織自律力』(単著、慶應義塾大学出版会、2006年)、『組織マネジメント戦略』(共著、有斐閣、2005年)がある。経営情報学会会員、日本経営行動科学学会会員。



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 Yahoo! JAPANが、「近い将来」と断りながらも、「週休3日制を導入する」と発表して話題を呼んだ。実施されれば、休みは従来の週休2日から1日増える。ビジネスパーソンにとって、この「1日」は、極めて大きな意味を持つ。学び方の根本的な見直しを迫られるからである。

「生産性の向上」が鍵に

 まず、企業の視点で考えてほしい。従業員一人ひとりの休日を増やしつつ、これまでと同じ業務量をこなそうとすれば、二つのことを変更しなければならない。

 (1)1人ひとりの生産性を上げる
 (2)従業員数を増やす

 ―である。

 労働時間が減ったことを理由に「その分の給与を減額する」という考え方もあるだろう。

 ただ、従業員にとっては減収、会社にとっては生産価値の減少につながりかねないので、必ずしも前向きなオプションとは言えないと思う。

 (1)と(2)では、やはり(1)の「生産性の向上」が鍵になるだろう。「欧米に比べて生産性が低い!」と言われてきた日本では、抜本的な改善につながるチャンス到来となるかもしれない。

学びの時間が20%減?

 そもそも、生産性はその人の能力や経験によって左右される。これまで多くの日本企業では、仕事の遂行能力は「仕事を通じて身につける」という方法が取られてきた。いわゆるOJT(On-the-Job Training)の名の下に、人材育成は実務の現場に任されてきた。体系的な人材育成プログラムにまで手が回らなかったという側面も無きにしもあらずだが、確かに実践から学ぶことは多い。

 ところが「週休3日」になると、仕事・職場で学ぶチャンスが減る。単純計算で5分の4、つまり20%減である。言い方を変えれば、週休3日制が導入されると、あなたのOJTによる学び時間は20%減ってしまうのである。

 さて、ここが分かれ道である。

 週休3日を「休息」や「遊び」に使うのも良いだろう。OFFとONを切り分けるという考え方だ。休日は英気を養う時間として割り切って思いっきり楽しむことで、今まで以上に集中的、効率的に仕事をバリバリこなせる。一つの極である。

 一方、「OJT学び時間20%減」を補うために、増えた休日を「学びの時間に使う」という人たちも出て来るだろう。すなわち、学びの時間が「会社」から「個人」へ移り、「学びの自己責任化」という流れが生じるのではないだろうか。

「学び方改革」の契機に

 生産性は、業務の進め方(仕組み)の工夫と個人の能力・スキルの向上の掛け算によってアップする。増えた休日を使って自己研さんに努めれば「個の力」を大いに上げることができるだろう。

 人的ネットワークを広げるために、社外の勉強会に参加する。語学を究める。公認会計士、中小企業診断士など資格取得を目指す。あるいは、手前みそだがグロービス経営大学院で経営やリーダーシップを学ぶなど、いろいろなオプションがある。

 あなたは、「遊び派」「学び派」、どちらだろうか。

 不安をあおるつもりはないが。これはかなり重大な選択である。何を選んでも自由だ。投入時間、投入資金も自分で決められる。どのような結果を目指すのかも自分次第。もしかしたら、これからの人生を大きく変える選択となるかもしれない。

 週休3日制の議論を、「働き方改革」の視点だけでなく、「学び方改革」の視点から眺めてみるのも有益だと思う。













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