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【SMAP解散に学ぶ組織論】(上) そもそも「組織」って何? バーナード流で考える

2016年12月07日 03時00分 更新

記者:金子浩明氏



  • 金子浩明(かねこ・ひろあき)グロービス経営大学院 シニア・ファカルティ・ディレクター、教員
     東京理科大学大学院 総合科学技術経営研究科 修士課程修了。コンサルティング会社で組織風土改革、人事制度の構築、官公庁関連のプロジェクトなどを担当。グロービス入社後は、コーポレート・エデュケーション部門のディレクターとして組織開発のコンサルティングに従事。現在はグロービス経営大学院 シニア・ファカルティー・ディレクターとして、企業研究、教材開発、教員育成などを行う。企業への新規事業立案・新製品開発のアドバイザーとしても活動する。2015年度から、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)プログラムマネージャー(PM)育成・活躍推進プログラムのメンター



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 「年内解散」を発表した人気アイドルグループのSMAP。25年以上も芸能界をリードしてきたグループだけに、世間への影響は大きく、解散理由をめぐってはさまざまな臆測も飛び交った。そもそも組織とは何なのか。チェスター・バーナードの『経営者の役割』という組織論の古典的名著を参照に、3回にわたって考えてみたい。

 「組織」とは何だろうか。

 例えば、青信号で一斉に横断歩道を渡っている人々はどうか。皆、信号を渡るという目的に向かって行動を共にしている。信号が点滅すれば皆急ぎ、渡る際は互いに邪魔にならないように配慮をする。

 あるいは、気の合う仲間で集った浜辺のバーベキューはどうだろうか。参加する人々はバーベキューをするという目的を共にしている。そして、それぞれの役割分担があって、準備や調理が進められる。バーベキューを終える際には何らかの宣言(そろそろ片づけて帰ろう)をして解散する。

 バーナードは組織を次のように定義する。組織とは「意識的で、計画的で、目的を持つような人々相互間の協働」であり、「二人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力のシステム」である。

 先の例をこの定義に照らすと、浜辺のバーベキューは組織であり、青信号を渡る人々は組織でないということになる。では、SMAPは組織だろうか。もちろん組織だろう。

 ただし、バーナードによる組織の定義には、構成メンバーとなるそれぞれの「ヒト」は含まれない。

 つまり、組織としてのSMAPには、キムタクや中居君といったメンバーは含まれないことになる。組織とは、あくまでも「人間の活動で構成される一つのシステム」(バーナード)なのである。

 例えば「AKB48」はどうか。メンバーに入れ替わりがあっても、組織として継続している。

 つまり、メンバーを固定することは、組織の条件ではない、ということだ。

 SMAPを組織と捉えた場合、例えば「キムタク1人を残して4人を入れ替える」ことで新生SMAPを結成する、という選択肢も存在する。それを、事務所が選ばなかった、というだけのことである。

 では、そもそも組織が成立するためにはどのような条件が必要なのだろうか。今のSMAPには、何が欠けてしまったのだろうか。

組織が成立するための要件

 バーナードによると、組織を成立させるには三つの要素がある。

 (1)コミュニケーション
 (2)貢献意欲
 (3)共通目的


 つまり、相互に意思を伝達できる人々がいて、かつ、それぞれの行為には「貢献しよう」という意欲があり、共通目的の達成を目指す時に、組織は成立する。

 さらに、組織が成立したとしても、それを存続させることは簡単ではない。なぜなら、組織の内的・外的環境は常に変化するからである。

 ちなみに、SMAPよりも前の80年代以降に活躍した代表的なグループとしては、「光GENJI」(1987〜1994)、「しぶがき隊」(1982〜88)などが挙げられるが、アイドルグループとしての人気低下やメンバーのソロ活動が増えるに伴い、結成から数年で解散している。その点で、SMAPが25年以上も存続したことは、アイドルグループとして驚異的と言える。

 SMAPが組織として長期間持続できた理由としては、時代に合わせて常に新たな魅力を提供してきたことが大きいと思われる。

 ただ、それだけでは存続の理由を説明するには不十分だ。人気が出て、ソロ活動などが増えれば、組織の存続危機もまた発生しやすくなるからだ。

 つまり、長期的に組織を存続させるには、内的・外的環境の変化に合わせて、組織というシステムの均衡を維持することが必要になる。(次回は14日掲載予定)













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