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【刺さった一言・サラリーマン編】 「今、1階にいますっ」

2016年11月13日 03時00分 更新

記者:吉武和彦


  • 男性が携帯電話を片手に平身低頭していた街頭。寒空に、サラリーマンの哀愁がにじんだ=福岡市・天神

 qBizでおなじみの「今週の『取材中に刺さった』一言」。経済人の印象深い発言を紹介するコーナーだが、“名言”を語るのは何も経営トップだけではない。私たちサラリーマンだって、心に残る一言を発しているのだ。
⇒学生編「ブースにいた社員の目、死んでたよ」はこちら

 平日朝、福岡市・天神のオフィス街。「間もなく着きます」「すぐ近くです」と連呼する声が聞こえた。

 見ると、スーツ姿の若い男性。携帯電話で通話しながら、辺りをきょろきょろし、小走りで行ったり来たりしていた。

 見るからに、道に迷っているようだった。訪問先との約束の時間が過ぎているのだろうか、男性は電話で何度も「すみません」と謝っていた。

 男性は営業マンで、通話相手はそのお客さま、といった関係だろうか。平身低頭する姿に、サラリーマンの哀愁がにじんだ。

 そして、通話相手に現在地を聞かれたのかもしれない。男性は、早口でこんな一言を言ってしまった。

 「今、1階にいますっ

 その時だった。近くのバス停に路線バスが到着した。エンジンとブレーキの大きな音とともに、“無残”にも、運転手のアナウンスが響いた。「天神大和証券前…」

 そう。ここは街頭である。その事実が、鮮明になった瞬間だった。

 男性は「ビルの1階」とは言っていないが、街頭を「1階」とするのは無理があるだろう。急場をしのぐとっさの言い訳が、立場をさらに苦しくする。

 小走りして遠ざかっていく男性の背中を見ながら、似たような光景を思い出した。

吉武和彦(よしたけ・かずひこ)<br />
1971年7月生まれ、北九州市出身。大学を卒業後、福岡市の月刊経済誌を経て、1999年9月西日本新聞社に入社。経済部、宇佐支局(大分県宇佐市)、経済部、東京報道部、北九州本社編集部から、2015年8月にqBiz編集長に。「ガラケー」を使いこなすが、今回の異動を機にスマートフォンの練習を始める。<br />









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