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和牛受精卵を一斉移植 国内初、佐賀で100頭規模に 子牛確保へ乳牛活用

2016年12月01日 03時00分 更新

記者:水山真人


  • 和牛の受精卵を乳牛に移植する獣医たち=佐賀県玄海町

 和牛の受精卵を母牛から採取し、凍結しないまま近隣の乳牛などに100頭規模で一斉に移植する国内初の取り組みが佐賀県で始まった。通常、受精卵は専門機関で凍結してから移植するが、地域で和牛と乳牛を組み合わせることで、全国的に不足している子牛の増産につなげる狙い。

 佐賀県では11月17〜19日、凍結受精卵を供給するJA全農ET研究所(北海道)の協力で、一斉移植を実施。JAからつ(唐津市)は2日間で、地元の子牛繁殖農家の母牛31頭から受精卵を採取し、乳牛など計108頭に移植。JAさが(佐賀市)も11頭から採卵し、13頭に移植した。凍結受精卵の供給体制には限りがあるため、両JAは今後も年2回、一斉移植を行う。

 JAによると、和牛の母牛は市場で評価の高い血統で、ホルモン剤投与により1頭から平均約10個の受精卵が取れる。移植後、乳牛などから高品質の和牛の子牛が産まれる。受胎率も凍結受精卵より約10%向上するという。子牛繁殖農家には受精卵の売却益が入り、乳牛を飼育する酪農家は子牛を売却した収入が得られる。

 JA全農によると、国内では繁殖農家の高齢化などで今年、母牛が5年前より約8万頭減少し約59万頭になり、子牛価格は2倍近い約77万円に上昇。子牛不足の解消に向け、神奈川県や岩手県、北海道でも一斉移植の実施を検討する動きがあるという。ET研究所の青柳敬人上席技術主管は「佐賀のデータを活用し、一斉移植の拡大につなげたい」と話した。










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