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そのスーツ、どこで買ったと? 天神の路上で「シュッとした」男性に直撃

記者:三重野諭
福岡スタイル

福岡市・天神で怪しげな取材に応じてくれた、心優しき紳士たち

 新生活を迎える春。転勤や就職を機に福岡で暮らす皆さんは、スーツを新調する機会もあるかもしれない。かくいう私は、12年の社会人生活でスーツを買ったのは4着だけ。最後に買ったのは6年前で、流行にも体型にも合わなくなってきた。さすがにまずい。職場がある福岡市の中心部・天神で買うとしたら、どこで、どんなスーツを買えばいいのか。街に出て、聞いてみることにした。

■取材を断られまくる

 2月末、平日の天神の路上。サラリーマンの昼食時間や退勤時間に合わせて聞き込みを始めた。ターゲットは20代から30代のスーツの男性。自分に欠けている「さわやかな」「シュッとした」雰囲気の方を狙う。「すみません、西日本新聞です。そのスーツ、どちらで買いましたか」。どれくらい、取材を断られただろうか。拒否に次ぐ拒否。それもそのはずだ。カメラを持って、若い男性ばかりに声をかける男。怪しいに決まっている。「すみません、信用していないわけじゃないんですが、名刺を見せてもらってもいいですか」と丁寧に尋ねられることもあった。

 予想よりも、天神にスーツ姿の若い男性は少ないことも相まって取材は難航した。商業都市なので勤務先がアパレルや飲食店など多様なせいだろうか。スーツと思って近づくと、「ジャケパン」スタイル(異なる生地や色の上下を組み合わせる)だった、ということも多かった。100人近くは声をかけたと思う。ほとんどに断られる中、不審人物のインタビューに応じてくれた心優しい紳士たち、写真まで撮らせてくれた“神様”のような方々の声を紹介したい。

 街で聞いた、スーツの購入条件やこだわりには共通項があった。

 その(1)は「細身」で「着やすい」こと。※かっこ内は発言者の職種

 「肩幅があって体格が大きいので、スリムでぴったり目のものを選んだ」(営業)

 「細くてシュッとしている方が、社外でお客さんに会うときの受けがいい」(事務)

 「着たときの肌触りを重視。ごわごわしているのより、肌になじむものを」(事務)

 「自分の印象が悪ければ商品が売れない。とにかく印象を良くしたい。肩の動かしやすさ、着やすさも大事」(販売)

 話を聞けた方のスーツは、黒や紺の無地、ストライプなどで、あまりバリエーションは多くなかった。色や柄をこだわりに挙げる方はいなかった代わりに、「サルエルパンツ風」「くるぶしを見せる」など、シルエットにこだわる声が多かった。ちなみに、サルエルパンツはイスラム文化圏の民族衣装が原点とされ、股下が深くパンツの裾が絞られたデザインのものです。

 その(2)は価格。

 「ダンヒルで知り合いの店員から、フルオーダーして30万円で買った」という、落ち着いた雰囲気の商社経営者(32)もいらっしゃったが、これは例外。セール価格での購入例も含め、3万〜4万円という、手が届く価格帯が多かった。その分、冬用、夏用、春秋用など、シーズンごとに3着以上をそろえて着回す方もいた。

■「どの店で買ったか」は分散

 私は社内業務の日も多いため、ジャケットすら着ないカジュアルな服装が多いが、事務職など、内勤でばっちりスーツの方にも出会った。「気合いが入るので」と、自分の気持ちを仕事モードにする“スイッチ”として使っているという。「暖房の効いた社内にいることが多いので、2月でも薄手の分を着回しています」という方も。それぞれにこだわりや工夫があった。

 一番聞きたかった「どの店で買ったか」という質問への答えはばらけた。量販店や専門店だけでなく、各ブランドや総合スーパーなどもスーツを商品化している時代の象徴だろうか。「どこで買ったか忘れた」という回答もあったが、それもリアルだと思えた。私自身が、どこで買ったのか、覚えていないスーツがあるからだ。答えてもらった中で、複数回答があったのは、「洋服の青山」「スーツセレクト」。いずれも天神に路面店がある。行くしかない。次回、お店に突撃編。



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