qBiz 西日本新聞経済電子版
ログイン

被災地に希望の灯

記者:古川努、丹村智子
2017九州豪雨

子どもたちが遊ぶ仮設住宅の前で、笑顔を見せる里川温祢ちゃん(右から2人目)と母親の裕美さん=28日午後、福岡県朝倉市頓田(撮影・帖地洸平)

豪雨後誕生 仮設癒やす  朝倉市の里川温祢ちゃん 見守られ すくすく

 福岡県朝倉市頓田の仮設住宅で、九州豪雨の直後に誕生した男の子が健やかに育っている。その名に「温かく、優しい子に」との願いが込められた温祢(まさね)ちゃんは、4人きょうだいの末っ子。あどけない笑顔につられ、家族やほかの入居者たちの顔もほころぶ。

 両親は里川径一さん(41)と裕美さん(36)。昼間は長女結祢(ゆいね)さん(7)、長男陽祢(あきね)ちゃん(5)、次女愉祢(たのね)ちゃん(2)が仮設住宅の室内を走り回って遊び、未明には温祢ちゃんの夜泣きも響く。狭く、壁は薄い。それでも周囲は「子どもの声を聞くと元気が出るね」。見守る目は温かい。

 7月5日、同市黒川の築100年を超える借家は土石流に襲われた。一家は仕事や里帰り中で無事だったが、近所では、出産間近だったママ友、江藤由香理さん=当時(26)=と、次女の友達だった由香理さんの長男友哉ちゃん=当時(1)=が犠牲になった。

 温祢ちゃんが生まれたのは、その5日後。忘れたいこと、忘れてはいけないこと…。いろんな思いが駆け巡った今年も残すところわずか。夫婦は、すくすくと成長していく新しい命の重さを両手で抱き、誓う。「毎日を一生懸命生きる。それが私たちにできること」

   ◇   ◇

古民家をゲストハウスに 東峰村 築120年を改築 再生の象徴に

 福岡県東峰村は28日、村内にある築120年の古民家を改築し、宿泊施設にする計画を発表した。2019年春の開業を目指す。九州豪雨の被害で、村内2カ所の宿泊施設は損壊し、営業再開のめどが立っていない。古民家を再生する村の象徴と位置付け、観光客に地域の魅力を伝えたい考えだ。

 古民家は宝珠山地区の竹集落にあり、周囲は棚田が広がる。木造平屋で、床面積は185平方メートル。既に村が取得している。建築資材や調度品は、できるだけ村内で用意する。改築費は約7000万円の見込みで、地方創生の交付金を充てる。

 1棟貸しで、1日5人程度の利用を想定。宿泊客に提供する食事は村の住民が腕を振るう。渋谷博昭村長は「都会では味わえない非日常的な空間を楽しめるようにしたい」と話した。18年1月に建築デザインを公募し、19年3月に完成する予定。当面は村が運営し、3年をめどに法人化を目指す。

 村は、岩屋キャンプ場に団体向け宿泊施設を建設することも検討している。豪雨被害に遭った村営宿泊施設と旅館は営業できなくなっている。



Recommend

ランキング(週間)

Recommend