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購買力に勝る「購買意欲」 WeChatで知った“日本の贅沢な生ソフトクリーム“ 趙さんの瀋陽来信(2)

記者:チョウ・イーリン氏

趙 ●琳(チョウ・イーリン)氏
1979年中国・瀋陽生まれ。大学卒業後の2002年に来日し、2008年に東工大院社会理工学研究科を修了。博士(学術)。現在は、富士通総研経済研究所の上級研究員。好きな言葉は、老子の言葉「千里之行、始于足下」(千里の道も一歩から)。趣味は、休日に家族と気軽におしゃべりをしながらの山登り。
※●は「偉」のにんべんが「王」へん

 「日本」はどんな国だろう(ワクワク)
 東京での一人暮らし、大丈夫かな(ドキドキ)

 2002年9月。私は日本へ旅立った。人生初めての飛行機へ乗り込み、「異国」へ旅立つ瞬間、寂しい感情に包まれた。そして東京に降り立つと、気持ちは新たに引き締まった。

 「入郷随俗」(郷に入れば、郷に従え)をしなくては!

 「郷」では数えきれないほどの“驚き“があった。

 生まれて初めて目にするごみ分別に満員電車。そして、中国の店舗では日本発の“高級ファストフード“のイメージがあった「吉野家」では、スーツを着たサラリーマンが慌ただしく牛丼を口へかきこんでいる!そして日本ではラーメンが800円もする。瀋陽で食べていた刀削麺は約80円だったのに。

 東京では故郷の瀋陽を思い出させるモノを見つけ、ホッとした。さて一体何でしょう?ヒントは、「建物」です。




 …正解は、東京駅の駅舎。この駅舎を見つけたとき、張りつめていた緊張感が解け、少しだけほっこりできた。

◆   ◆   ◆
 来日前、私にとって東京は日本のイメージそのものだった。

 子どもの頃から大好きな日本のアニメといえば、「一休」(一休さん)、そして「機器猫」(ドラえもん)だ。

 日本で「ドラえもん」を見ると、不思議な感覚に襲われた。子どもの頃に見ていたアニメが「異国」で放送されている。そして自分が大人になった今、アニメ大国の本場でそれを目にしている…。

 そうだ、そしてもう一つ。そもそも東京への憧れを抱いた最初のきっかけはドラマ「東京愛情故事」(東京ラブストーリー)だったかもしれない。

 日本では1991年に放送され、ドラマのキャッチコピーは<東京では誰もがラブストーリーの主人公になる>。当時の若者の間で大ヒットしたフジテレビ系列の「月9」ドラマだった、と聞いたことがある。

 そんなドラマと初めて対面したのは1997年、高校2年生だった。恋愛なんて考えたことがない、大学受験に向けての勉強に没頭する毎日だが、少し気になっていたドラマだった。

 ♪如果没在那天那个时间那个地点遇到你的话――(あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら――)

 このメロディー、当時ドラマにくぎ付けになっていた日本の皆さんにとっては、もうお馴染みではないだろうか。実は中国でも、このメロディーが多くの中国人に知られ、そして好まれ、歌手である小田和正さんの人気は高かった。

 そして、日本行きが決まった後は、日本語の勉強のため、クラスメートと一緒にキムタク(木村拓哉さん)のドラマを“インターネット上”で見つめていたことも思い出す。

 90年代から2000年代初め。振り返ってみれば、あの頃の日本は「ソフトパワー」が全開な時代だったかもしれない。




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