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“一晩9軒”の猛者も 福岡・春吉の「はしご酒」イベント

記者:石田 剛
記者コラム

今回の「晴酒はしご」の参加証。九州豪雨被災地の支援のため、小石原焼の酒器を使っている

 「はしご酒」と聞くとワクワクしたり、飲み過ぎて後悔した記憶が呼び起こされたりと、心がざわつく左党が多いのではないか。福岡市中央区・春吉エリアで、飲食店を「はしご」して日本酒と食事を楽しむイベント「晴酒(はれざけ)はしご」(5月10〜18日)が開かれている。2016年から春と秋の年2回開かれ、今回で5回目。毎回参加者が増え、今回は用意した「参加証」が開始前に売り切れてしまうほど盛況らしい。

 「晴酒はしご」は、参加証となる酒器とスタンプラリーの台紙を800円で購入すると、店で酒器1杯分の日本酒と小皿料理1品が500円で味わえる。日本酒は全て福岡県内の蔵元、料理も「季節の3種盛り(春キャベツの胡麻和え・赤米のたかな寿司・自家製チーズ)」「鶏もも肉のカテャトーラ」「れんこん饅頭(まんじゅう)のカニ身あんかけ」など各店が工夫を凝らした品がずらり。飲食店の数も毎回増え、今回は前回より4店多い36店が参加している。

 参加者の増加傾向に備え、今回は参加証を200増やして1000セット用意したところ、4月11日の販売開始から2週間余で完売してしまった。期間中に「全店制覇」する人が何人もいるらしく、昨秋のイベントに記者が参加した際は、一晩で9軒回った猛者に出会ったことがある。

 企画しているのは、春吉地区のまちおこし活動をしている晴好(はるよし)実行委員会。地元にゆかりのあるミュージシャンと飲食を楽しむ「晴好夜市」の関連イベントとして始まったそうだ。

 商業集積地である天神の南側に位置する春吉。チェーン店よりも、個人や小規模経営の味わいある飲食店が多く並ぶ。「前から店を知っていて通う人が多い。天神や博多に比べると人通りは少ないけど、店に入るといつもにぎわっているような感じが春吉の特徴」と、実行委の事務局を務める友添健二さん(57)は話す。ともすれば一見客が入りにくい印象もあるが、そんな誤解を払しょくし、春吉の飲食店の魅力を広く発信するのが、晴酒はしご企画の最大の目的なのだ。

 春吉で酒屋を営む友添さん。福岡県は全国5位の日本酒製造場がある酒どころなのに、あまり知られていない歯がゆさがあった。晴酒はしごには、春吉の店同様に「知る人ぞ知る」存在の福岡の日本酒をPRする狙いもある。今回味わえるのは24蔵元の銘酒。提供される日本酒の種類も、回を重ねるごとに増えている。

 特定のエリア内で飲食店を巡り歩くイベントは近年、盛んに開かれている。開催側にとっては、さまざまな店が手を組んでエリア全体のにぎわいづくりにつなげる狙いがあり、参加者にとっても気軽に多くの店を楽しむことができる利点がある。




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