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「財布よりスマホが大事」 加速する中国のキャッシュレス 趙さんの瀋陽来信(3)

記者:チョウ・イーリン氏

さあ通勤時。今日はこの自転車に乗って行ってきます!

趙 ●琳(チョウ・イーリン)氏
1979年中国・瀋陽生まれ。大学卒業後の2002年に来日し、2008年に東工大院社会理工学研究科を修了。博士(学術)。現在は、富士通総研経済研究所の上級研究員。好きな言葉は、老子の言葉「千里之行、始于足下」(千里の道も一歩から)。趣味は、休日に家族と気軽におしゃべりをしながらの山登り。
※●は「偉」のにんべんが「王」へん

 このように、スマホ決済が数多くのサービスやビジネスに浸透したため、現金や銀行カードの出番が少なくなってきている。さらにスマホ決済は、店舗や飲食店に限らず、地下鉄やバスなどの公共交通、病院での予約から受診料の支払いまで普及している。

 「財布よりスマホを無くしたほうが、大変だよね」

 中国人の知り合いとはこのような冗談が増えている。2016年には約7億人のスマホユーザーが存在し、スマホが欠かせない存在になっている。スマホの普及、それに伴うキャッシュレスが、生活のあらゆるシーンに浸透するだけではなく、社会全体の効率性を高め、人びとのライフスタイルへも劇的な変化をもたらしているのだ。

◆  ◆  ◆

 東京・新橋。知り合いとのランチを楽しんだ後の会計で、店員にクレジットカードを手渡した時のことだった。

 「すみません、ランチは現金のみです」

 日本にいると、飲食店での現金払いは当たり前だ。だが、先日の広州出張の帰りだったこともあり、店員の一言の衝撃は大きかった。

 中国のスマホ決済の波は、日本を飲み込むだろうか。東京でも「財布よりスマホを無くしたほうが、大変だよね」といった会話が聞こえてくるのも、そう遠くはないかもしれない。



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