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そうめんに隠された職人技とマシンの融合 島原創互物産

2017年08月09日 03時00分 更新

記者:小川俊一


  • 午前5時半すぎ、そうめんの生地を機械で圧迫する従業員

  • 機械で伸ばされ、細くなっていくそうめんの生地

  • そうめんのコシを高めるため、生地にひねりを加える機械

  • 糸車で紡がれる糸のように滑車を通り、細くなっていくそうめん。左奥はガラス越しの見学通路

  • 機械で麺を伸ばす「小引き」の作業。伸ばす幅は生地の熟成具合に応じて調整する

  • 麺をのばす工程では最後の作業となる「大引き」

  • 乾燥中のそうめんはカーテンのようだ

 夏バテ気味のお腹にもツルンと入って、食欲を回復させてくれるそうめん。手延べそうめんの生産量国内2位の長崎県・島原半島(島原市、雲仙市、南島原市)には約300の工場がひしめく。その大半がある南島原市の「島原創互物産」のそうめん工場を訪ね、夏の涼を手掛ける熱い職人技を見た。

 ■生地と「対話」

 手延べそうめん工場の朝は早い。午前5時すぎに工場に着くと、白い作業着を着た男性2人が既に仕事に取りかかっていた。早朝から作業するのは、商品の完成までに2日間で20を超す長い工程を経る必要があるからだ。

 材料の小麦粉、塩、水を機械で混ぜ合わせる際、最も重要なのは塩分濃度。その調整が、小麦に含まれ麺に粘りをもたらすタンパク質「グルテン」の働きを左右する。濃度が高ければグルテンの作用は抑えられ、麺の粘り、つまりコシが弱くなる。濃度が低いとその逆になる。気密性の高い作業場で気温や湿度を基に毎日、適度な濃度を決めている。「触れば熟成具合は分かりますよ」。この道約30年の相川貢工場長(60)は話す。

 生地は幅20センチの帯状に加工した後、複数のローラーや滑車を備えた機械に何度もかけられ、細くなっていく。だが塩分で調整しているとはいえ、粘りがどれだけ高まっているかは機械には分からない。機械にかけるのが早すぎると麺は切れてしまう。相川さんは常に生地と「対話」し、タイミングをうかがう。

 かつてはほとんどが手作業だった。今はほぼ機械化したが、「手延べ」の品質を支える肝は、文字通り職人の手が今もなお支えている、と感じた。

 ■噴火が転機に

 「島原手延べそうめん」の歴史は約400年前にさかのぼる。島原の乱(1637〜38)で荒廃した島原半島には、幕府の命令で九州内外から移民が相次いだ。その中でも香川県・小豆島からの移民がそうめんを伝えたという説が有力視されている。

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