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「地方のマーケット、全然違う方向に」 不動産動向をCBRE社長に聞く

2017年11月02日 03時00分 更新

記者:石田 剛


  • 不動産市場の動向について語るCBREの坂口英治社長

 緩やかな景気回復や低金利を背景に、堅調に推移する不動産市場。今後の動向はどうか。不動産サービス大手CBRE(東京)の坂口英治社長兼CEOに聞いた。

 ー 直近の地価動向では、三大都市圏よりも地方中核都市の伸び率が高い。今までは東京のトレンドが地方に波及していたが、今後の流れは。

 「いつも東京の後を追うように動いていた地方のマーケットが、全然違う方向にいくという初めての傾向が出ている。この数年、建築費の高騰や、ゼネコンが利益を重視して受注を選別していることから、地方の物件供給が少なくなっていたが、福岡や札幌などで極端に空室がなくなり、ようやく賃料が上がってきた。一方、東京は戦後復興期以来の再開発が進んで一気に供給が増え、この先賃料は調整されて弱含みになる。日本経済全体がショックを受けない限りは当面、地方マーケットの堅調は続き、東京とは逆に振れるだろう」

 ー 地価の上昇率に比べて賃料の上昇率はそれほどでもないと思うが。

 「オフィス空室率が低い都市では完全な貸し手市場だが、『30%、40%上げたいので払えないなら出ていってくれ』というような交渉をしているかというとそうではない。リーマン・ショックの前は激しい賃料交渉をするファンドもいたが、今はテナントとの長期的な関係を大切にするオーナーが多いのではないか。10年前とは時代が変わった」

 ー 不動産投資市場では、最近では商業施設より物流施設が注目を集めている気がする。投資家の関心は。

 「物流が商業施設を食ってしまうという流れは止められない。高齢化が進む中、わざわざ買い物に行くよりもインターネット通販でクリック一つで家まで持って来てくれる方がいい、という傾向は加速すると思う。ただ、銀座や心斎橋など世界に向けたショールームの役割がある場所なら出店希望はある。商業施設は優勝劣敗がますます進む」

 ー 福岡では、都心部再開発事業「天神ビッグバン」が注目されている。どのように評価するか。

 「低金利で不動産投資はしやすく、地震対策で投資先を地方に分散させたい投資家の意向もあり、理にかなった動きだと思う。ただ、賃料が上がらないのでは、という不安などから事業者が動かない可能性もある。アニマルスピリット(野心的意欲)が欠けている面があるのではないか。どこまで介入するかにもよるが、行政が事業者と対話しながらもっと入り込むことも必要だろう」

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