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久留米市で17、18日「城島酒蔵びらき」 蔵元巡り魅力実感

2018年02月12日 03時00分 更新

記者:萱島佐和子


  • 「花の露」で、発酵が進むタンク内の醪をかき混ぜる荒巻さん

  • 築140年という「花の露」の醸造所

 国内有数の酒どころとして知られる久留米市城島町を中心に17、18の両日、「第24回城島酒蔵びらき」が開かれる。同市の三潴町と大善寺町を合わせて八つの蔵元が参加し、メイン会場や各蔵で自慢の日本酒を提供する。今回、蔵元などでつくる実行委員会に学生として初めて久留米大の荒巻優子さん(22)が加わった。荒巻さんとともに、一足先に蔵巡りへ出掛けた。

 「最近は一口目のインパクトを重視する酒が多いですが、城島は違います。一口目は地味だが、ふっくらとした柔らかい味がじわりと広がってきますよ」

 城島町で最も古い1745年創業の「花の露」(城島町城島)で、冨安拓良社長(44)がほほ笑みながら説明する。代表的銘柄は蔵の名と同じ「花の露」だ。

 醸造所内を特別に見せてもらった。築140年という木造の蔵の2階に上がると、床の所々に穴があり、1階に置いたタンクを上からのぞくことができる。日本酒の素になる「醪(もろみ)」と呼ばれるとろりとした液体が入っている。

 こうじと水、蒸した米、酒母をタンクに入れ、「櫂(かい)棒」という長い棒で丹念にかき混ぜる中で城島の酒が誕生する。「かき混ぜてみますか?」と冨安社長に勧められた荒巻さんが「どろりとした手応えですね」と話すと、冨安社長は「軟らかい手応えになればなるほど完成に近づくんです」。丁寧な作業がおいしい酒を生むことを教えてくれた。

     ◇    ◇

 続いて向かったのは1898年創業の「杜(もり)の蔵」(三潴町玉満)。上品な味わいの「杜の蔵」と、やや渋みが強い「独楽蔵(こまぐら)」というタイプの違う酒を造っている。特に「独楽蔵」は通常の日本酒より熟成期間を長くしており、外気の影響を受けないよう、窒素ガスを充填(じゅうてん)できる特注のタンクを使うそうだ。

 タンクを見せてもらおうと、森永一弘社長(46)の案内で蔵の中へ。酒やこうじの甘い香りが満ちている。「いい匂い。この部屋から出たくなくなりますね」と荒巻さん。「プツプツと発酵する酒を見ていると、思わず時間を忘れます」と森永社長は日本酒愛を語る。

 チーズが合うという「独楽蔵」は、大きめのグラスで空気にあてながら飲むと風味が増すそうだ。

 「酒蔵びらき」の期間中、今回訪ねた2蔵元の醸造所内の見学はできないが、杜の蔵では、普段は公開していない日本庭園を見ることができるそうだ。

     ◇    ◇  

 荒巻さんは過去3回、酒蔵びらきにボランティアとして携わった経験を買われて実行委に入った。若者の集客を目指して企画したのが「城島の酒PR大使コンテスト」。事前選考を通過した男女5人の中から、城島の酒に対する関心の高さなどを基準に、参加者の投票で大使2人を選ぶ。

 「大使には1年間、城島の酒について学んだり、発信したりしてもらうつもりです」

 酒蔵開きはメイン会場だけでも楽しめるが、荒巻さんは各蔵元を訪ね歩いての飲み比べを勧める。「酒蔵びらきでしか販売しない搾りたての生原酒は並んででも買う価値がありますよ」。つゆに日本酒をふんだんに使ったおでんや、じわりと酒がしみ出すパウンドケーキなど、各蔵元が用意する限定メニューも充実。荒巻さんは「私も飲み歩きたい」とほほ笑んだ。

   ◇   ◇

 ◆城島酒蔵びらき 17日(土)と18日(日)の午前9時半〜午後4時。久留米市城島町の「町民の森」をメイン会場に開催。会場に出店した8酒蔵の酒を飲み比べられるチケット(12枚、おちょこ付き600円)があり、食事や農作物販売のブースもある。特設ステージでは筑後酒造り唄(うた)などを披露。お燗(かん)コーナー(1杯300円)も。メイン会場と西鉄三潴駅やJR荒木駅、各酒蔵をつなぐシャトルバスも運行する。久留米南部商工会内の実行委事務局=0942(64)3649。

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