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「10代の大人」どうなる 改正民法成立 忍び寄る悪徳商法

2018年06月14日 03時00分 更新


  • 佐賀県唐津市の成人式会場で記念撮影する新成人=今年1月7日

 成人年齢は20歳から18歳へ。13日成立した改正民法で、2022年4月から若者の社会参画が広がる期待の一方、新たな懸念も生まれている。契約には保護者の同意が不可欠という「鉄の防波堤」に守られてきた18、19歳に悪徳商法被害が拡大しないか。最初の年は3学年分が対象となるかもしれない成人式をどこで開くのか。高校3年生が式に参加するのか。もし制服で出席することになれば、呉服業界にとって大打撃だ。“大人”が2歳若くなる影響は。

 「誕生日おめでとう! いい投資話があるんだけど興味ない?」。福岡市内の男性(22)は、成人を迎えた直後に無料通信アプリのLINE(ライン)で友人に誘われた。紹介された男に「出資額を倍にできる」と巧みに口説かれ、消費者金融で用立てた120万円をだまし取られた。

 民法は、未成年者の契約は保護者の同意がなければ取り消せる「未成年者取り消し権」を規定。福岡市消費生活センターによると、昨年度の20代の相談件数は20歳未満の約6倍で「悪質業者は、契約に保護者の同意が不要な成人直後を狙う」のが理由という。

 若年層の被害を防ぐため、恋愛感情につけ込む「デート商法」など悪質な手口による契約は取り消せるよう別の法律を改正したが、消費者問題に詳しい福岡県弁護士会の千綿(ちわた)俊一郎弁護士(45)は「学生は社会人に比べて交友関係が狭く、仮想通貨などのマルチ取引が友人間で連鎖しやすい。18、19歳に向けた消費者教育の充実が急務」と力を込める。

 九州北部の県立高の教頭も「教員の目が届かないSNS(会員制交流サイト)で生徒同士が名義貸しをしたり、クレジットカードを気軽に契約できるようになるのは心配」と語る。ただ、学校で消費者教育にどう取り組むかは未定だ。「教員は多忙。大学入試も控えてただでさえ時間が足りないのに」とため息をついた。 (野間あり葉、金沢皓介)

   ◇   ◇

初年の成人式、3学年で? 呉服業界は「制服出席」に危機感

 「伝統文化でもある着物に触れる機会が失われるんじゃないか」。福岡県内の着物仕立て業者は表情を曇らせた。業界にとって成人式は一番の書き入れ時。振り袖は購入なら1着40万〜50万円、レンタルでも10万〜20万円の売り上げが見込める。だが高校3年での成人式となれば、進学を控えた親の財布のひもは固くなる。「成人式は制服で」というムードが広がりでもすれば影響は計り知れない。

 全国の呉服業者でつくる「日本きもの連盟」は昨年12月、法務省や衆参両院などに要望書を提出。「長年の慣習として定着している」として20歳での成人式の維持を求めた。

 成人式を行う市町村も困惑を隠さない。仮に18〜20歳を対象にする場合、新たな会場探しを迫られる可能性がある。北九州市によると、市内の18〜20歳を成人式の対象にすると3万人規模になる。現行の「北九州メディアドーム」では収容しきれないため、別の施設を探す必要があるという。

 成人式は法律で規定されておらず、主に市町村の判断で開いている。北九州市は「検討はこれから」と苦慮。福岡市は「開催日や時間を分けるのかも含めて考えていく」、熊本市は「他都市の状況を見つつ、早めに決めたい」としている。 (四宮淳平、北島剛)

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