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九州の女子大、向き合う「性」 「心は女性」の学生受け入れ 「時代の要請」でも…施設は?寮生活は?

2018年07月26日 03時00分 更新

記者:鶴加寿子


  • 学生の笑い声が響く女子大。トランスジェンダーの学生の受け入れについて国内的な議論が始まった=福岡市の福岡女子大

 お茶の水女子大(東京都)が、戸籍上は男性でも自身の性別が女性だと認識しているトランスジェンダーの学生を2020年度から受け入れると発表し、九州の女子大に戸惑いが広がっている。性的少数者(LGBT)への理解の広がりから「時代の要請」と受け止めつつも、検討はこれから。学生の「性」を限定してきた女子大が、性の多様性にどう向き合うのか課題を突き付けられている。

 多様な性を巡っては、米国の女子大がトランスジェンダーの学生の入学を許可したり、自治体が同性カップルを結婚に相当する関係と認めたりするなど、国内外で理解が広がっている。

 「地方大学にニーズがあるのだろうか」「受け入れるとすれば、どのような対応が必要なのだろう」。お茶の水女子大の突然の発表に、九州の女子大の担当者は驚きを隠さなかった。

 文部科学省によると、九州の女子大は福岡女子大、九州女子大、福岡女学院大、福岡女学院看護大、筑紫女学園大、西南女学院大(以上、福岡県)、活水女子大(長崎県)、尚絅(しょうけい)大(熊本県)、鹿児島純心女子大(鹿児島県)の9校。

 トランスジェンダーの学生の受け入れについて、西日本新聞の取材に「ノーコメント」の尚絅大を除く8校が「まだ検討していない」とした。

 全国では奈良女子大が「前向きに検討」し、津田塾大、日本女子大(いずれも東京)なども学内での議論を始めている。

   ◇    ◇

 九州の女子大には、これまでも性を巡るさまざまな問題が持ち込まれてきた。

 過去に数件、トランスジェンダーの学生の入学について問い合わせがあったという私大は「制度的に難しいと回答した」。鹿児島純心女子大は在学生から「心は男」との申し出を受け「教職員で情報共有し、卒業まで見守った」としている。

 福岡女子大は、栄養士などを目指す男性の入学願書を受理せず、男性側から不当な性差別で違憲として2015年に提訴された。

 男性は訴えを取り下げたが、同大は「日本の女性の社会進出は遅れており、活躍できる女性を育成するため、女性のみに教育を行うことには合理性がある」と主張してきた。

 一方、お茶の水女子大の室伏きみ子学長は10日の会見で「多様な女性が、あらゆる分野に参画できる社会の実現につながることを期待する」と受け入れの意義を説明した。

 ただ、実現には性自認の証明や施設整備など課題もある。お茶の水女子大は、志願者に性同一性障害の診断書や希望を記した書類などを提出してもらい判定することを検討。今後、委員会を設けてトイレや更衣室などを整備、生活上の配慮についての指針を策定するという。

 福岡女子大は、異文化理解などの目的で1年生は原則、留学生も含めて4人1戸の寮で過ごす制度がある。担当者は「1年間、同じ空間で過ごすことになる。他大よりも受け入れのハードルが高いように思う」。

 西南女学院大の担当者は「施設整備も必要かもしれないが、重要なのは偏見や差別の目で学生が見られることがないよう、まずは受け入れる側の学生、教職員をしっかり教育することではないか」と話している。

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