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「焼豚ラーメン」は惑わない 九州の超定番カップ麺、発売40年の歩みと”魂”【動画付き】

2018年09月18日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • 佐賀県基山町のサンポー食品の本社工場内部。ここで1日13万食の焼豚ラーメンが製造される

  • 工場長の古川さん。自身も大のインスタントラーメン好きで、別業種から転職した経歴を持つ

 「サンポー焼豚ラーメン」

 福岡や佐賀で生まれ育った人々の間には、この響きを耳にするだけで、空腹を覚える人がいるかもしれない。

 1980年代に小学生だった記者。「半ドン」の土曜日に学校から駆け足で帰宅し、ひたすらこのラーメンをすすりながら、再放送されていた米国のドラマ(おそらく「特攻野郎Aチーム」か「冒険野郎マクガイバー」)を視聴していたのが、原風景として脳裏に焼き付いている。紅しょうがを「辛いなあ」と恐る恐る食べていた。

 今年、発売から40年を迎えたサンポー食品のカップ麺「焼豚ラーメン」。今では九州の超定番カップ麺として不動の地位を築いている。だがその道のりは、決して平たんではなかった。

◇  ◇  ◇  ◇

 佐賀県基山町。九州自動車道からも工場を望むことができる場所に、サンポーの本社はある。工場長の古川揚一さん(44)が見せてくれたのは、「40th」の文字が輝く現在(2018年)の製品と、過去の包装。その中に、1996年製の品がある。もちろん食べられないが、ビンテージの“22年物”。おそらく現存する最古の「焼豚ラーメン」である。

 二つを見比べると、定番商品にもかかわらず、いくつも違いがある。実はこの20年ほどの間に、焼豚ラーメンはマイナーチェンジを重ねていた。

 一目見て分かるのは、その「ふた」の形状。発売時のスタイルだったプラスチック製のふたは、2000年、熱でくっつけるシール式に変更された。密封することで食品の安全性をより高めるためだ。

 そして長年の愛好者は、その商品名にも気付く。元々は「元祖」が付いた「元祖焼豚ラーメン」だった。これもふたが変更されたタイミングで改められた。

 そのとき社内では、「そもそも、本当にこれは『元祖』なのか」という議論が起こったという。商品表示のそもそものあり方に立ち返る真摯さを、サンポー食品の社員たちは持っていた。

 そしてふたに掲載された調理例の写真。「1996年版」には、「2018年版」にはないゆで卵やシイタケの姿がある。古川さんは「今じゃ、あり得ないですね」。

 現在、カップ麺に表示される調理例については、実際の内容物と同様のものを使用するよう「即席めんの表示に関する公正競争規約施行規則」が定めている。今となっては当たり前のカロリー表示も、96年版にはない。



サンポーの工場は久留米ラーメンを生んだ久留米に近い場所にある。その焼豚ラーメンは、博多より味が濃いめで、麺も少し太めの久留米スタイルだ。スープはコショウがしっかり効いていて、食べ応えがある
左上が1996年、右上が1998年、右下と左下は2018年のパッケージ
「私たちが納得する味を届けたい」と話す社長の大石忠徳さん
工場の入り口に飾られたサンポー食品の製品ラインナップ
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