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【あなたの特命取材班】都市開発が生むダンプ違法駐車 待機場所なく路上に車列

2018年10月11日 03時00分 更新

記者:野津原広中


  • 城南区の市道で路上駐車するダンプカー(写真の一部を加工しています)

  • 大型車が駐車可能な福岡市中央区のコンビニに止まっているトラック(写真の一部を加工しています)

 「朝、車で通勤する途中の道路に、ハザードランプをつけた大型トラック数台が路上駐車している」。福岡市城南区の会社員女性から取材班に連絡が入った。待ち合わせているかのように一斉に出発するという。「渋滞の原因になり、事故の危険もある」と心配する女性。そこには人口が増え続け、マンションや住宅開発が進む158万都市の一断面があった。 

 9月のある日、午前8時前に現場である城南区の市道に向かった。駐車禁止の標識の下、片側2車線の外側の車線にダンプカー4台が止まっている。中央区の方を向いていて、運転手は歩道で談笑していた。市道は住宅街にあり、後方から来た車が車線変更をしようとして滞っていた。

 翌日は午前7時半ごろ現場に着いた。既にダンプカー1台が止まっていた。その後も次々と駐車し、午前8時までに4台が並んだ。複数の土木・建設業者のダンプカーで、いずれも前日とは違う車だった。

   ■    ■

 歩道にいた運転手のうち年配の男性に話を聞いた。

 −なぜ止めているのか。

 「工事開始の時間に合わせて現場に入るため。8時や8時半、9時と現場によって違う。今日は8時半。現場は近隣と地域協定を結んでいて、早く着くと住民から苦情が出る」

 −現場は中央区?

 「そう。初めてで、どんな現場か分からないが土砂を運ぶ。住宅かマンションの建設現場で、山を削ったか、基礎を打つために掘って出た土だろう」

 −ここはダンプの運転手さんたちには止めやすい場所として知られている?

 「2車線なのに比較的交通量が少ないから。ほかにも止めやすい場所はある。待つ場所がない現場だったら、うろうろ、ぐるぐる流して運転するしかない」

 −会社はどこ?

 「西区だ。ここに来るまでの国道202号は朝、片側2車線の1車線がバスレーンになる。事故や渋滞があると遅刻する。だから早めに出てここで待機する」

 −苦情は?

 「他の車から出る。しばらくするとパトカーが来る。だから15分ごとに、ちょこちょこ移動している」

 −会社は何と言う?

 「『止めるな』『時間通りに行け』と言うだけ。駐車違反の切符を切られて損するのは自分だけだから」

 −大型車が止められるコンビニの駐車場があれば?

 「そちらに止めるがこの辺にはない。大型車を止める空き地を借りる建築現場もあるが、中央区の住宅街は広い土地がないので、それもない。福岡は発展しているのだから、本当は市などが駐車場所をつくらないといけないのだろうが」

   ■    ■

 城南区を管轄する早良署を訪ね、山内寿人交通第一課長に話を聞いた。「駐車禁止の道路では、路上駐車は短時間でも、エンジンを掛けて運転席にいても駐車違反になる」と説明する。

 その場で運転手に注意するだけでは、らちが明かないので「運転手を雇う会社に指導する、管理者対策を徹底している」と話す。昨年夏ごろにも城南区の別の道路で、朝に大型車の駐車が相次ぎ、管理者対策で解決したことがあるという。今回の現場に駐車していた会社には、早良署がすぐに指導したが、住民によると、今月はまた違法駐車の列ができる日があったという。

 駐車違反は立派な法律違反だが、運転手の意見には一理あると感じる部分があった。今後も、さまざまな開発計画が控える福岡市。安全や渋滞などの問題を考える上で、工事車両の待機場所を整備する政策があってもいいのではないか。

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