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【こちら あなたの特命取材班】(4)朝課外、部活、プール授業… SNSにあふれる10代の本音

2018年10月18日 03時00分 更新


  • 朝課外への不満を訴える高校生からの投稿。保護者や教師からのものを含めると100件を超えた(写真はともに一部を加工しています)

  • 朝課外について考えた4月18日付朝刊記事(記事は本紙ホームページで読めます)

 中学、高校生の頃、私は学校に漠然とした不満を抱いていた。友人に話しても事態が動くわけでもなく、言い出したい気持ちをぐっとこらえ、淡々と学校が決めたルールに従っていた。今の時代に生まれていたら、私も「あなたの特命取材班」(あな特)に声を届けていただろうか。

 あな特が調査依頼を受け付ける無料通信アプリ「LINE」に友だち登録しているのは約4700人。その中には10代が約100人いる。今年春、LINEは福岡県を中心に九州の高校で定着する「朝課外」(ゼロ時限)に関する10代からの投稿であふれた。

 任意なのに必修として扱われる現状が問題になり、県教育委員会は生徒の意思を尊重するよう高校に指導した。それでも、新年度も参加を事実上「強制」する高校は少なくなかった。

 「同意書が参加の1択」「不参加なら他の課外にも参加できないと言われた」。昔ならかつての私のように押し黙ったかもしれない一人一人の声。今は会員制交流サイト(SNS)に投稿、共感を呼べば拡散していく。「束」になった意見はうねりになる。あな特では朝課外のほか、長時間練習が問題視される「ブラック部活」など10代からの投稿が発端で記事になったものは少なくない。

 「朝課外は苦痛でしかない」と投稿した福岡県内の男子生徒と会った。鋭く学校を批判するLINEの投稿文と裏腹に、物腰は柔らかくおとなしい雰囲気。「直接学校に言っても変わらない」と嘆く姿を見て「20年前の自分もこんな感じだったな」と思い起こした。

      ■

 もちろん生徒たちの意見が「正論」ばかりだとは思わない。朝課外や部活動のメリットを強調する意見も多く寄せられたし、取材班の中でも賛否は分かれた。

 ただ、LINEでつながり、生徒と直接やりとりできるのは大きい。教育現場を取材していると、マスコミを警戒してか、学校側が過度に取材内容を規制したり、印象の良い場面ばかりを見せたりしていると感じることがある。生徒目線の生の声があれば、もっと現実に迫ることができる。

 「生理中にプールを強制された」というSNSの投稿から、友好紙の琉球新報が沖縄県の事例を紹介した記事に関連し、九州の事例を調べた。九州7県や政令市の教育委員会は強制の事実を把握していなかったが、SNSには「見学する代わりにランニングを強制された」との投稿があり、記事化することができた。

 教育委員会に全ての事例を把握しろと言っているのではない。今の子どもたちは、理不尽だと考えることをすぐにSNSを使って全世界に発信できる。「臭いものにはふたをする」時代は終わったのだと、先生たちも、取材するわれわれも肝に銘じ、子どもたちと向き合う必要がある。

社会部記者 金沢皓介

 かなざわ・こうすけ 福岡市出身、2006年入社。博多まちなか支局や諫早支局などを経て、17年8月から社会部。教育などを担当。35歳。

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