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私は「日本語」を学んでいなかった 「やさしい日本語」の奥深さと大切さ

2019年01月13日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • 日本語のテキスト。最初に学ぶのは「私は○○です」の自己紹介だ

 「僕は焼酎で」
 「トイレが長いなあ」

 日常的に交わしているこんな会話は、私たちにはもちろん何の違和感もない。ただ、これをインターネットで使える「Google翻訳」に入れると、なんとも妙なことになる。

 I am a shochu.
 The toilet is long.

 英語を話す人に、この文章を見せても「???」となるだろう。さきほどの日本語では省略されている言葉を補い、「僕は焼酎をお願いします」「あなたがトイレを使う時間は長すぎる」といった形にして改めて再び翻訳にかけると、通じる英語になる。

 平易な表現や文の構造、ふりがなを用いて、日本語が苦手な外国人にも理解しやすい「やさしい日本語」。阪神・淡路大震災の際に困った外国人被災者がいた教訓から、研究者らが提唱した。

 今、この「やさしい日本語」への注目が高まっている。入管難民法の改正で、日本で働く外国人が、どっと増えることになるからだ。政府が示す数字は、今年4月から5年間で最大34万5150人に上る。

 西日本新聞は2016年から「新・移民時代」というシリーズで、在留外国人を巡る現状と課題を報じてきた。その一環として、昨年11月に本紙ウェブサイト上で「やさしい日本語」での記事配信を始めた。新聞記事を、分かりやすい日本語に「翻訳」する取り組みだ。

 訪日外国人にも分かりやすい日本語の普及を目指す「やさしい日本語ツーリズム研究会」の協力を受けて始めた。私もトライしたが、難しさを痛感した。

 さらに、やさしい日本語ツーリズム研究会事務局長の吉開章さんは「日本語を母語として話す人が、そうではない人の視点で情報や記事を読むのは難しい。言葉だけではなく文化や習慣の違いもある。例えば救急車が無料で呼べる、地震の時は体育館に避難する、そんな日本の『常識』も外国では違う。そういうときは、補足して説明する必要がある」と指摘する。言葉以外の思わぬ「違い」にも意識をめぐらさなければいけない。

■■■■

 福岡市にある「WAHAHA日本語学校」を訪ねた。10年前にオープンし、少人数で生徒のレベルに細かく合わせたレッスンをしている。代表で、日本語教師でもある前川順子さんの話にはっとした。

 「私たちが学んだのは『国語』で、『日本語』ではないですよね」


WAHAHA日本語学校で話を聞かせてくれた生徒たち
福間慎一(ふくま・しんいち)<br />
福岡市生まれ、2001年入社。文化部、長崎総局、本社報道センターなどで記者。1年間のヤフー出向を経て17年9月からqBiz編集長。特技は居酒屋のメニューを指1本でくるくる回すこと。
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