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「アビスパは中小企業」再建途中、社長の決意 変わらぬために、変わる今季

2019年01月29日 03時00分 更新

記者:三重野諭


  • 新体制発表会で、ファビオ・ペッキア新監督(右)と握手を交わす川森敬史社長

 「今年はアビスパ福岡の変わらぬ戦い方『アビスパスタイル』を示し始める年にしたい。(就任した)ファビオ・ペッキア監督とも共有し、それを目指してリスタートする年にしたい」

 1月12日にあったアビスパ福岡の今季の新体制発表会。川森敬史社長(53)は、集まったサポーターや報道陣にゆっくりと、力強く語りかけた。フリップを用意するほどの熱意で訴えた「アビスパスタイル」とは―。会見に先駆けた昨年末、川森氏にじっくり聞いたインタビューをお届けする。

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 川森氏は2015年3月にアビスパ福岡社長に就任。その後、J2で5千人台だったホーム平均観客動員は9千人台までに回復した。就任前に8億〜9億円台だったクラブの売り上げも、19億円台に達している。

 川森氏:地域の皆さんにお支えいただいて売り上げが伸びました。スポンサー社数も、就任前は200社未満でしたが、最高では1500社を超え、昨年でも900社以上、ものすごい多くの皆さまにお支えいただけるクラブになっている。心から感謝しています。

 観客動員は昨年、前年より700人ほど減りましたが、台風と雨による影響もあると考えています。ただ、J2では1回伸びきったとも言える中で、新たな取り組み、本質的な取り組みに入っていかないと、さらに多くの地域の皆さんにはお越しいただけない。クラブの努力が足りないと捉えています。

 本質的に、サッカーの試合だけじゃない、もっとわくわくするような企画、躍動的なスタジアムの雰囲気が出せていたかというと、改善点が多い。イベントも接客も試合も、課題が残るシーズンでした。

サポーター、保護者、飲食売店の声を直接聞く

 ―とはいえ、新たな取り組みもあった

 今年こだわったのは、「来て見てやって楽しい」試みです。階段を使ったアートを定番化したり、バルーンを使った応援をしたり、6月にピッチで記念撮影できるブライダル企画をしたり。サポーターのリーダーと3カ月に1回ミーティングをして、意見を出し合ってきました。

 (HKT48の)豊永阿紀さんをクラブの公式アンバサダーに起用したのも、開幕戦でTシャツを作ったのもサポーターのアドバイスです。基本的には拒むよりも、良いものはどんどん取り入れていく姿勢で形にしています。

 ―サポーターとのミーティングには社長も出席している

 サポーターとは3カ月に1回ですね。スタジアムの飲食売店の皆さんとも3カ月に1回ミーティングをして、おいしくて楽しくて購入しやすい売店を実現するためにはどうしたらいいのか、意見を出し合っています。(U-18やスクールなど)下部組織に関しても、保護者の方と年に2回、保護者会をやっています。どのミーティングでも、もちろん聞くだけに終わらないように、改善点はマニュアル化して、運営に体系的に落とし込むようにしています。

 お客さまの声を聞いて商品化するとか、クレームを社長が対応するとか、中小企業だったら普通のことと思います。大企業になれば権限委譲しながらやっていくこともありますが、アビスパは中小企業ですから。社長が現場に立って、いろんな事を見たり聞いたりしながら判断して、即断即決する。その方が手っ取り早いと思います。現場に足を運んで自分の目と耳で稼ぐ、「昭和」のスタイルですけどね。

 ミーティングにはサポーターも保護者会も、責任者が来ています。飲食売店も経営者が来ているわけですから、こちらも経営者が出ていかないと失礼だと思っています。



必勝祈願で福岡市の筥崎宮を訪れたアビスパ福岡の選手やスタッフ=1月19日
インタビュー終了後、慌ただしく会社を出る川森氏
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