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ついに出た“玄関口の本気”、JR博多シティの「コト消費」 結束強い天神も新たなステージへ 福岡流通戦争モノ語り(7)

2019年03月12日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • JR博多シティのかぶりモノ。高さ、デザインとも一体感が再現されている

  • 博多駅大改造の方針を報じた2002年1月1日付の本紙



 インターネットや郊外型ショッピングモールに押されていた福岡市・天神。その長いトンネルに終止符を打ったのは、生まれ変わった博多駅だった。

 2002年1月1日、本紙はJR九州の博多駅の大規模再開発構想を報じた。九州新幹線の全面開業するタイミングを目標に、<現在の駅ビルの二―二・五倍の新駅ビルを建設、百貨店、専門店、映画館やホテルが入居する大型複合商業施設>を目指すとの内容だった。2005年に<地上10階、地下3階、核テナントの百貨店の売り場面積5万平方メートル>という情報と共に、完成予想図が発表された。井筒屋が入っていたこれまでの茶色い駅ビルとは、似ても似つかぬ迫力だった。

 (ギンギラ太陽’s・大塚ムネトさん)「いよいよ博多駅の再開発が始まる!これは福岡の流通勢力図に大変動が起きるぞ」と予感しました。いろいろな報道の雰囲気は「博多の再開発」や「博多にもう一度元気を」というものでしたが、それで済むはずがない。これまでは天神が「福岡の中心に輝く太陽」でしたが、「博多にも人々をひきつける太陽」が誕生するんですから!2つの太陽が両方輝くのか、それとも、どちらかの輝きが失われていくのか?

 当時、すでにその結果は他都市で出ていた。札幌や京都、名古屋など、JRが大規模再開発で中心駅に建設した複合ビルが、既存の街を差し置いて最大の集客力を見せていたからだ。

 (大塚)実際に取材に行きましたが、札幌は「JR再開発で劇的に街の中心が変わった場所」です。元々の中心は雪祭りで知られる大通り公園界隈で、百貨店と複数の商店街がにぎわっていました。再開発前の札幌駅は、隣接する百貨店が廃業するなど今ひとつだったんです。

 (大塚)それが札幌駅再開発で一気に人気スポットとなった。駅前が「新たな中心=太陽」となったのです!駅は、元々多くの人が利用して往来がありますから、そこに魅力があれば集客の苦労はありません。輝きを失った大通りが取った作戦は「駅から大通公園までの地下通路」を整備すること。戦いを挑むというよりは、「バイパスで延命している」という感じでした。こうした札幌の姿を目撃したとき、「博多で近い将来に起きる大変動」を予感せずにはいられなかったんです。

 JR九州のターミナル複合施設はすでに鹿児島、長崎でも好調だった。売り場面積は増えたが、ネットに押される天神も、他都市のように「中心」の座を手放すのか――。京都も中心を奪われた。鹿児島もそうなったように、福岡でも「極異動」は起きるのか。

 (大塚)札幌で商店街に取材しましたが、関係者の方は「商売が順調な頃は、商店街同士の仲が悪く、個々で商売をしている感じだった。JRの再開発で負けて、初めてお互いが連携するようになったが、最初から手を組んでエリア全体でにぎわいを作れていたら、もっと勝負できていたかもしれない」と悔しそうに話してくれました。

 (大塚)札幌の“敗因”を聞いて、天神なら大丈夫だと思いました。そもそも天神は、商売人達が力を合わせてにぎわいを作ってきた街です。激しい流通戦争を繰り広げつつも、お互いを認めて連携し「天神エリア全体」を盛り上げてきました。天神には、大変動に立ち向かうエリアの力があります。


次々に上がった核テナント候補
開業直後のJR博多シティ屋上の「つばめの杜ひろば」を走ったミニ機関車を楽しむ親子連れ(2011年3月)
JR博多シティ開業の影響で苦戦する天神の様子を伝える本紙紙面(2011年5月26日付)
天神の結束を象徴する、商業施設の懸垂幕。他店の出店を歓迎し、お互いにエールを送ってきた。左二つは1997年、三越開業時の大丸とエルガーラ開業時の三越。右二つは2010年、パルコ開業
左二つは2016年の岩田屋80周年を祝うパルコと大丸。右から二番目は2018年に15の商業施設が掲げた都心界70周年のイメージ。右端は2019年2月、30周年を迎えるイムズとソラリアの懸垂幕
JR博多シティ開業から3年、天神と博多の好循環を伝える紙面(2014年2月19日付)
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