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コミュニケーション力鍛える「塾」 福岡市の企業が運営

2016年07月25日 15時00分 更新

記者:森井徹


  • 討論で使うゲームを紹介するビッグトゥリーの高柳社長(左)=福岡市南区

「考えを育む場に」 ネット世代の子対象

 コミュニケーション能力が社会で求められる一方、学校で学ぶ機会は少ない。その隙間を埋めようと、ディスカッション(討論)を通して能力アップにつなげる“塾”が福岡市に誕生した。対象はネット世代の子どもたち。メールや交流サイトには積極的だが、面と向かった議論の機会は減ったとされるだけに、習い事として「伝える力」を培う試みが注目される。

 講座は「Dコート」。社員研修などを手掛ける同市南区のベンチャー企業「ビッグトゥリー」が昨年12月に始めた。

 ある日の講座。スタッフを含め、中高生ら5人が円卓を囲んだ。「春でイメージするものは? 全員で合わせよう」。他人が何を想像するかを考え、手元のボードに自分の答えを書き込む。「桜」が4人、「花見」が1人。花見と書いた中学3年の長曽我部ミヅキさん(14)は「桜が頭にあって、その上で花見かと思って」。その後もテーマを変えて会話が弾んだ。

 こうしたゲームを重ね、時事問題をテーマにした討論にも挑んでいく。プログラム監修に携わった西南学院大の宮原哲教授は「コミュニケーション能力とは、情報を整理して、自分の意見を考える力を身に付けること」と解説。研修に取り入れる企業が多い中で「中高生の習い事とするのは画期的だ」と話す。

 コミュニケーション能力は、日本経済団体連合会のアンケートで、企業が採用時に重視する項目の1位に10年連続で選ばれている。人物評価を重視するアドミッション・オフィス(AO)入試でも、グループ討論を通してコミュニケーション能力を測る大学がある。

 一方で「対策が分からない」という人も。それは「教育過程で自分の意見を述べる機会が少ないから」と、講座を企画した高柳希社長(33)は見る。自身も大学時代に欧米の学校で学んだ際、授業で「あなたはどう考えるの?」と質問が次々に飛んでくることに戸惑った。この経験から「グローバル時代に必要なのは英語力だけでなく、意見を伝える力だ」と痛感した。

 高校2年の前田里菜さん(16)は「他人の意見を聞きながら、自分の考えを貫ける人になりたい」と通い始めた。受講者はまだ数人だが、中には通信制の高校生が同世代と接する場を求めて通うケースもある。

 高柳社長は「討論を通して自分を見つめることが何より大切。意見や価値観を交換しながら、自分の考えを育む場にしてほしい」と話している。講座は90分で月2回。受講料は月9720円。問い合わせはビッグトゥリー=092(983)7665。

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