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苦労の果てに幸せつかんだ「マダム大丸」 “戦線”拡大で変わった天神 福岡流通戦争モノ語り(4)

2019年02月08日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • 大丸(右)とエルガーラ(左)のかぶり物を手にする大塚ムネトさん。ビル同様、「ELGALA」のロゴが建物の個性を際立たせている

  • 1997年3月2日、エルガーラ開業を報じる本紙夕刊。パサージュ広場の目新しさに「百聞は一見にしかず」と見出しを付けている



 戦前から福岡市・天神のにぎわいを支えてきた岩田屋を後に危機に追い込むことになる1990年代後半の「第3次天神流通戦争」。岩田屋Zサイドの半年後、97年3月に開業したのが博多大丸東側の再開発ビル、エルガーラだ。

 28メートルの高さに架かる透明の屋根の下で、その両側にしゃれたカフェや店舗が並ぶ――。そんな空間は福岡の人々にとって、初めての体験だった。大丸は、そのエルガーラに核テナントとして入居、大丸東館を開業した。

 (ギンギラ太陽’s・大塚ムネトさん)ギンギラの作品はデパートや乗り物を擬人化します。デパートであれば、その店のターゲット層や、現在の状況、創業からの歴史などを取材して、「年齢設定」「性別、衣装」を決めます。大丸は、おしゃれなドレス姿の「マダム大丸」という女性キャラクターです。

 (大塚)1975年に天神にやってきた大丸は、西日本新聞と一緒になり、市役所と手をつなぎ、そして「エルガーラ」という素敵な「娘ビル」が生まれました。さらに下には地下鉄七隈線の駅があり、目の前には西鉄福岡(天神)駅の中央口…。「頼りになるパートナー」「娘ビルと広場」「天神の中心という立地」と、まさに幸せのど真ん中にいるマダム大丸。もしかすると、この幸せな現在の姿が当たり前と思っている方が多いかもしれません。いやいや、赤字と苦難を乗り越えて、やっとつかんだ「女ビルの幸せ」だったんです。

 天神にあるのに「博多大丸」。岩田屋と同様に大丸も、もともとは博多にあった。現在の福岡市営地下鉄呉服町駅がある場所だ。

 (大塚)1953年、この場所にあった東邦生命ビルに大丸が出店しました。上には帝国ホテル。そして目の前に路面電車の停留所があり、なにより博多駅がすぐ近くにありました。ブランドイメージも利便性もバッチリの、恵まれた環境だったのです。

 その幸せは、長くは続かなかった。(次ページへ)

 ※博多大丸が創業した呉服町交差点(福岡市博多区)はかつて、博多の東の拠点としてにぎわっていた。岩田屋呉服店が百貨店をつくるときに、天神か呉服町かで迷ったほどだった(流通戦争モノ語り3参照)。大丸が天神に移転した後に寿屋が出店したが、最終的には破綻。ビルは取り壊され、現在はオフィスビル(後方)が建っている。


「マダム大丸」(左)と娘ビルのエルガーラ
キャナルシティ博多のかぶりモノ。月をあしらった特徴的な塔は「未来の都市空間」のイメージをかきたてる
キャナルシティ博多の開業を報じる1996年4月20日の本紙夕刊
時は戦線拡大した「天神ブック戦争」だが、その後収束していった









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